不思議な力〈待つ力〉どれだけ待てるかで人の器量が決まるって?

待つ女性 絵本発想のヒント
わたし待つわ・・

こんにちは、もりのひつじかいです。

今日は
〈待つ〉ということについて
考えてみたいと思います。

待つということに感心が向いたのは
ほかでもありません
心静かに待つことができる
ある父親を目撃したからです。

その姿を観察しているうちに
待つということはもしかしたら
ひとつのスキルではないのかと
思うようになったのです。

そこで〈待つ力〉と呼んでみたわけですが
すでに同名の書籍が
8年も前に出版されているみたいで・・・

 

ま、それはそれ
ひつじかいはひつじかいの観点から
待つという行為
あるいは待つというスキル
=不思議な力について
掘り下げてみたいと思います。

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そのひとは茶人のように待っていた

ひつじかいが
インスピレーションを受けたシーンは
実はこんな感じだったんです。

そのひとは

まだ売れ残っている分譲地の

境界用のブロック塀に腰をおろし

前方に視線を向けていました。

土地の下見に来ているのだと
ひつじかいは思いました。

その土地を購入したつもりで
将来の家造りを夢想しているのだと
勝手に想像したわけです。
清々しい
屈託のない顔つきをされていたからです。

 

ずいぶん長いことそうしています。

よほどここが気に入ったのでしょう。
家が建つのも近いかな・・・。

それにしても
その姿があまりにも自然だったので
時と同化してしまったかのようにさえ
見えました。

かなり時間がたったころ
一人の少年が現れ、彼にこう告げました。
「あのね、◯◯くん、遊べるって!」

「そうか、よかったな。
 じゃあ、4時に迎えにくるよ」

そう言うとそのひと(たぶんお父さん)は
どこかに去って行ったのでした。

息子を待っていた!
というありふれたシチュエーションに
ひつじかいはとても
びっくりしてしまったのです。
ただそこにいることを
愉しんでいるように見えたものですから。

なぜ世の中にはこんなにもスマートに
まるで茶人のように
恬淡と待てる人がいるのでしょうか?

ひつじかいは生来待つことが不得手で
待ち始めるのとほぼ同時に
鞄に忍ばせた本を取り出し
待つというテイクを
読書というテイクに転換してしまいます。

待つというのはある目的に到達するまでの
単なる「空き時間」だと
そんなふうに考えていたのです。

それでも絵本の出版化に向けた
一連の取り組みを通じて
ずいぶんと
〈待てる〉ようになってきました。

そんな自信たっぷりの目線で
周囲を見回してみますと

大人しく待つイヌ(待つわん)

世の中
〈待つ〉ことのいかに多いことか!
驚くばかりです。

ビジネスとは、そもそも〈待つ〉ことなのでは?

商売のことは商いとも言いますよね。
「空き(が)ない」からだなんて
おっしゃるひともいますが
そういう「空きがない」状態で
いったい何をしているかといいますと
人を待っているんです。
お店に来てくださるお客様を
ひたすら待っているんです。

ひつじかいもかつて
リフレクソロジーのお店を
開いていたことがありますので
そのへんの事情はよく分かります。

商売とは〈待つこと〉だといっても
過言ではないのかもしれません。

商店以外のビジネスの現場においても
社員とか従業員は何かを待っています。

ボスやチーフの決断を
クライアントからの依頼メールを
ユーザーの反応を
為替や相場の変動を
時にはあなたからの苦情の電話さえも!

待つ仕事といえば
役者はその最たるものではないかと
思いますね。
特に映画の撮影ということになると
出番がくるまでは
ひたすらの〈待ち〉が続きます。

『魚影の群れ』という映画の
ロケ現場での出来事。
名優、緒形拳の娘役を演じた
夏目雅子の演技に
どうしてもオーケーが出ない。

テイクは10を数え20を数え・・・

それもそのはず
監督は「取り直し」で有名な相米慎二。

そして、あろうことか
あの緒形拳が
ついにしびれを切らして
宿に引き上げてしまったのだとか。

待つということの辛さが
伝わってくるエピソードです。
新人がこれをやったら
監督からのオファーは
二度とないかもしれませんね。

役者に限らず

ビジネスを成功させるためには

〈待つ力〉を

磨き上げる必要があるのかもしれません。

生態系は〈待つ〉ことで成り立っている?

待っているのは
なにも人間ばかりではありません。

1本の木のように佇むハシビロコウ

異形の鳥ハシビロコウは
水辺に
まるで1本の杭のようにたたずみ
無警戒に近づいてくる魚を
高速の早業で丸呑みにしてしまいます。

なんとこの鳥は
獲物の到来を待っているあいだ
気配を消すことができるそうですから
驚きです。

ハナカマキリ

https://ja.wikipedia.org/wiki/ハナカマキリから転載


ハナカマキリの雌は可憐な花に擬態し
ナナフシは枝に擬態し
獲物を待ち続けます。

植物だって負けてはいません。
ハラン(葉蘭)という常緑多年草は
その花をキノコに擬態させ

ハランの花

https://ja.wikipedia.org/wiki/ハラン_(植物)から転載


キノコバエという昆虫に
花粉の媒介を託しているそうです。
難しい言葉で
虫媒花(ちゅうばいか)と言いますが
風媒花(ふうばいか)だって
風を待ち風を頼みとするわけですから
待つという姿勢に変わりはありませんね。

こちらは昆虫ではありませんが
軒下でお目にかかることが多い蜘蛛も
芸術的とさえいえる巣をかけ
待っていますよね。

芸術的な蜘蛛の巣

蜘蛛といえば
私小説作家の尾崎一雄は
『虫のいろいろ』という短編小説の中で
こんな話を紹介しています。

あるとき作家が
空のビンを使おうと思いたち
キャップを開けたのだそうです。
するとその瞬間に
目にも止まらぬ速さで
ビンから飛び出たものがあったそうです。

よくよく見るとそれは一匹の蜘蛛。

ところがよくよく考えてみると
そのビンは一年前に洗って
仕舞っておいたものだったのだとか。

思わず作家はうなりました。
限りなく0に近い可能性を信じ
ひたすら「その瞬間」を〈待ち〉続けた
蜘蛛の胆力に脱帽したのです。
よくぞ待ち続けたものよと。

ひょっとしたら自然界における生態系は
〈待つ〉ことで
成り立っているのではないかと
思えてきます。

そうだとするならば待つということは
ネガティブな態度ではなく
「きわめてボジティブなスキル!」
ということになるのではないかと
ひそかに思うのです。

待つというのは実に不思議な力なのです。

なんだかこうなると
〈待つ〉ことに
40億年分の重みを感じてしまいますね。

(ちょっと大げさか・・・)

育てること=〈待つ〉こと

野菜を育てる
盆栽を育てる
子どもを育てる
人を育てる

お米を育てる(田植え)

育てることとは何事によらず
=〈待つ〉こと
なのではないかと思います。

育てることには
相応の時間がかかるのです。
相応の時間はかかりますが
育てること(=待つこと)は
大いなる喜びでもあるのです。

時代小説を読んだり
戦国もののドラマなどを見ていますと

 待たせておけ!

なんていうお決まりの台詞が
ひんぱんに出てきますが

あれは

殿様の権威を内外に示すためのものだと
ず~と思っていました。

しかし
そればかりではないということに
思い至ったのです。
待たせることでその人物の器量を
測っていたのではないかと
そう気づいたのでした。

〈待つ〉という行為には

その人の内面(潜在意識)が

現れるのではないのでしょうか。

胆力のある戦国の武将たちはおそらく
その人物の〈待ち姿〉を見て
育てがいのある兵(つわもの)なのどうか
見極めていたのでしょう。

寝かすこととは〈待つ〉ことの裏返しだった

少し前に
〈寝かす〉をテーマに
*記事を書いたことがありましたが

*こちらをご参照ください。

→~原稿を寝かせることの真意とは~

〈寝かす〉ことというのは
実は〈待つ〉ことの裏返しだったと分かり
はっとしました。

ウイスキーを寝かしたり
ワインを寝かしたり
チーズを寝かしたり
絵本の原稿を寝かしたり
モチーフのアイデアを寝かしたり

ひっくり返せば
全部〈待つ〉ということだったんですね。

パンもケーキもぬか漬けも
寝かせる=待つことで
みんなおいしくなっていたのです。

おいしいといえば、余談ですが
おいしいラーメンにありつくために
2時間も行列に並ぶというのも
あれはあれでひとつのスキルですね。
器量がなければ
2時間も待つことはできません。

あなたの恋人が
別のひとを好きになったとしても
「ほかの誰かにふられる日まで」
待つことができたり
「きっと君は来ない」

雨は夜更け過ぎに雪へと変わった

なんて思いながら
ひとりきりで
Xmasイブを待つことができるのも
どこかに「待つ力」があるからです。
だってそういう力がなかったら
ベッドの上で、ただ
泣きじゃくるしかないじゃないですか。

 

間もなく
ひつじかいの最初の絵本の制作が
再開するはず
です。

その日時の指定を待っています。
メールが来るのを待っています。

〈待つ〉ということの

積極的な意味を理解しつつ

待っています。

 

さて
そういうあなたはいかがですか?
待つことは得意ですか?
待つということに何か
特別な意味を感じますか?
待つことそのものを
愉しむことができますか?

〈待つ〉ということも
絵本のモチーフになるのではないかと
ひつじかいは感じています。

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