ひつじかいの絵本が「増刷」されたよ!可能性は0ではなかった?

女性のまわりを本が飛び回っている 絵本づくりABC
増刷の可能性は・・?

こんにちは、もりのひつじかいです。

 

絵本『もりのしょうぼうだん』表紙

『もりのしょうぼうだん』発売中!

 

2020年10月に発行した
ひつじかいのファースト絵本
(と言ってもまだ1冊だけですが・・)
『もりのしょうぼうだん』が
このたび増刷されることになりました!

 

発行から1年近くが経過していますので
ほとんどその可能性は消えたものと
半ばあきらめていましたが
「待てば海路のなんとやら」でしょうか。

 

ところで
絵本(著書)が増刷されるためには
どんなハードルがあるのでしょうか?

またその可能性は
いったいどれくらいなんでしょうか?

 

今日はそのあたりの出版事情について
リサーチしていきたいと思います。

が、その前に、ここではひつじかいは
「増刷」という言葉を使っていますが
「重版」という言い回しも よく目にします。

 

『重版出来!』
なんていう連続ドラマもありましたよね。

 

「増刷」か「重版」か
ひつじかいのようなケースでは
どちらを使うのが正しいのか
まずはその点から
はっきりさせておきましょう。

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いずれの言い方が正解か?

「増刷」と「重版」
これら2つの言葉の意味を
まずは広辞苑で確認してみます。

 

*増刷とは・・
 さらに追加して印刷すること

*重版とは・・
 一度出版した書籍を
 同じ版で再び印刷・ 出版すること

 

さらりと読んだだけでは
両者の違いがよく分かりませんが
重版については 刷と刷の間で編集上の検討が
継続しているような感じがします。

しかし
これだけではどうもはっきりしないので
「出版TIMES」というWebサイトの
関連記事に当たってみることにしましょう。
https://kagiroi.com/publishing-times/7599/

 

この記事によりますと
概ね次のようなことが述べられています。

 

増刷に向けて製本途中!

*増刷とは・・
 本の内容を変えずに再販すること

 奥付では初版第二刷などと表記される。
 刷を増やすので「増刷」と言う。

 

*重版とは・・
 内容を変更して再販すること

奥付では二版第一刷などと表記される。
版を重ねるので「重版」と言う。
重版の場合は増刷と違って
版を再度作り直すために
相応のコストがかかることになる。

 

この記事は
出版業界の関係者が書いていますので
辞書に比べれば
より実情に近いかもしれません。

 

けれども、そういう出版業界でも昨今は
「増刷」「重版」ともにほぼ同じ意味で
使っているそうですので
(先程の『重版出来!』もしかり)
一般的にはどちらの言葉を使っても
オーケーということになりそうですね。

「増刷」されるための3つの要素とは!

絵本の作者に限らず
著作者全般に言えることだと思いますが
ひとたび出版に至ったならば
自著が永遠に売れ続けてくれることを
願わないものはないでしょう。

 

そのために突破しなくてはならないのが
初版第一刷と第二刷の間に立ちはだかる
最初の大きな壁ですね。

 

この壁を乗り越えるためには
次の3つの要素のすべてを
クリアーしなければならない

 

と先に引用した
「出版TIMES」の記事は力説しています。

 

その3つとは―

①実売数(POS)  
POSデータ(実際に書店で売れた冊数)
が良好な値であること。
※注:リアル書店で売れた数が重要!
 なぜなら、リアル書店での売上は
 全体の7割を占めているから。

②在庫数
出版社の倉庫で待機する在庫が
着実に少なくなっていること。
(※裏を返せば、Web書店などでも
売れているということになる。)

③注文数
書店からの注文の増減を示すデータが
上向いていること。

というものですね。

 

裁ち落とされた絵本の耳

これら3つの要素のうちのどれか
ひとつでも欠けていると判断されると
出版社は増刷をためらい
なかなかゴーサインが出ない
ということになってしまうのだそうです。

 

つまり増刷が決定したということは
これら3つの要素を
なんとかクリアーした!
ということになるわけです。

 

ひつじかいの絵本
『もりのしょうぼうだん』も
しかりですね。

 

でも、これってある意味
「すごい」ことなんでしょうか?

絵本の増刷の可能性って
いったいどの程度あるのでしょうか?

可能性は・・たったのこれだけ!

ではいったいどれくらいの割合で
増刷されているのか
出版関係のWebサイトに
当たってみることにしました。
その結果は-

 

「Link of Generation BLOGS」によると
増刷(重版)率は15%程度とのこと。

 

また「THE HIDDEN STORY」は
書籍が増刷される割合は
1割から2割ではないかと語っています。

 

重版に強いと豪語する出版サイト
「天才工場」では、業界平均の重版率を
13~16%と見積もっています。

 

これらの数字は書籍全般の数値
ということになっていますが
絵本についても同様の傾向にあることが
予測されます。

 

Webサイト 「こみやゆうのブログ」では
次のように言い切っていますね。

子どもの本の初版部数はだいたい3,000~5,000部。1年以内に重版になれば良い方で、累計1万部売れれば、売れている部類に入る。

 

「1年以内に重版になれば良い方」
なんだって・・・

 

この言葉、ずしりと胸に響きますね。

 

また「累計1万部売れれば~」とは・・・

絵本という文芸ジャンルの土俵が
いかに狭いかということを
如実に物語っていますね。

 

フィールドが広いロングセラー本

ロングセラー本の作者には
東京ドーム3つ分くらいの広さに
見えてるかもしれませんがねえ。(笑)

 

ま、土俵のことはともかく
この先も売れ続けてくれるよう頑張れば
自著の増刷の可能性を高め
かつ出版社への恩返しになるということは
疑いようのない事実だと思います。

 

ひつじかいよ、精進せよ!

 

ところで、なんとか増刷にこぎつけた
ひつじかいの絵本を

増刷ラインの参考に見てみたい

という人は
次のWebショップからご確認ください。

 

本のアイコン『もりのしょうぼうだん』

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