こんにちは、もりのひつじかいです。
今日は
永遠の物語『星の王子さま』と
『サンタクロースって いるんでしょうか?』
というお話しとの関連について
お伝えしてみたいと思います。
え?
星の王子さまとサンタクロースだって?
じつはこの両者
とある糸で結ばれているのではないかと
ひつじかいは感じているのです。
『星の王子さま』が大好きで
クリスマスも大好きというあなた
この糸のこと
少し気になりませんか?
サンタクロースっているんでしょうか?
小さなころはぜったいにいるって
信じていた、サンタクロース。
でも大きくなるにつれ
友だちからも疑問を投げかけられ
だんだんその存在が
あやしくなってきた、なんて経験
あなたには、なかったでしょうか?
『サンタクロースっているんでしょうか?』
中村妙子・訳/東逸子・絵/偕成社
この本に書かれているお話しは
120年以上も前の実話です。
でも、ひつじかいが
このエピソードを知ったのは
たかだか30年くらい前のこと。
そのあと何年もたたないうちに
本書は全面的に改装(1986年)され
現在のような絵本仕様になりました。
それは・・
クリスマスを間近にひかえた
ある冬のこと。
ニューヨーク・サン新聞社に
8歳の女の子(バージニア)から
一通の手紙が届きます。
その手紙には
こんなことが書かれていました。
わたしの友だちは
「サンタなんかいないよ」って言うけど
本当のところはどうなの?
サンタクロースっているんでしょうか?
その新聞社は、この手紙を
社説で取りあげることにしました。
本気でこの手紙と
向き合ってみることにしたのです。
あなたのお友だちは間違っている!
編集長の英断が光りますね。
子どもは未来の大人だということを
この人は理解していたのだと思います。
担当した記者
(フランシス・P・チャーチ)
は書き出しの冒頭で
サンタなんかいないって言っている
あなたのお友だちは間違っている。
と、やや独断ぎみに宣言します。
相手が子どもだからといって
手加減をしない潔さが
爽快です。
記者は続けて
辛口のコメントを書き連ねます。
なんでも疑ってかかる人(うたぐり屋)は
目に見えるものしか信じない。
うたぐり屋は心が狭い人たちだ。
心が狭い人たちにはそのせいで
わからないことがいっぱいある!
ねえ、相手は子どもなんですよ!
何もそこまで
と思うくらいにシビアな言葉が
書き並べられていきます。
しかしそれらの文言が
次第しだいに慈愛に満ちた洞察へと
転調し・・
やがて次のようなフレーズへと
つながっていくのです。
サンタクロースもたしかにいるのです・・
この世の中に、
愛や、人へのおもいやりや
まごころがあるのとおなじように、
サンタクロースもたしかにいるのです。
ふ~む、なるほど・・
まごこころと同じですか・・。
まごころはたしかに
感じることはできても目で見ることは
できませんよね。
だから
誰も見た人がいないからといって
サンタクロースがいないという
証明にはならないのだと記者はいいます。
そうして最後に
あの不滅の言葉が紡ぎ出されます。
この世界でいちばんたしかなこと、
それは、
子どもの目にも、おとなの目にも
みえないものなのですから。
と・・
あれ?
この言葉
どこかで聞いた覚え、ありませんか?
よ~く思い出してみてください。
そう、そう
星の王子さまにきつねが伝えた
あの名言ー
心で見ないと物事はよく見えない。
肝心なことは
目には見えないということだ。
(倉橋由美子・訳『星の王子さま』
文春文庫から抜粋)
を連想しませんか?
心で見ないとサンタは見えない
これはもしかしたら
まったくの絵空事なのかもしれませんが
ニューヨ-ク・サン新聞社の
一記者が記したこの社説の言葉は
それから数十年後に書かれた
あの稀有な物語に
鮮やかに反響したのではないかと
ひつじかいは秘かに思うのです。
そんな気持ちを込めて
きつねの言葉を借り
サンタクロースっているんでしょうか?
という問いに答えるとするならば
こんな感じになるでしょうか。
心でよ~く見ないと
サンタクロースは見えないよ。
なぜって
大切なものは
目では見えないのだから。
大人になる前に
サンタクロースなんてもういない
と結論づけてしまったあなた
あなたは「愛」の存在を信じますか?
信じるとするならば、その「愛」は
目で見ることができますか?
この本に出会ったおかげで
ひつじかいは
子どものころのクリスマスに
もう一度還っていけそうな
そんな気がしています。