こんにちは、もりのひつじかいです。
新緑のなかを
もくもくと歩いています。
というのは
このところ
お腹まわりが気になりだして
これをなんとか「やっつけ」ようと
毎日最低5㌔は歩くことにきめたのです。
「歩くことには様々な効能がある」
ということは
前々から聞いてはいましたが
この際身を持って実証してみることに
したのです。
そんな中で偶然目にした絵本の題名が
『あるいていこう!』だった
というわけですね。
今回はこの絵本を中心に
「歩く」ということについて
少し考えてみたいと思います。
図書館からやってきた『あるいていこう!』
Web上で
「歩いていこう」と打てば
映画の主題歌(いきものがかり)に
ヒットしますし
「歩いて行こう」と打てば
前川清さんがファミリーで制作した
こころあたたまる歌謡曲にヒットします。
「あるいていこう」と打つと
『あるいていこう!』という絵本の
紹介ページにヒットします。
でもこの絵本
もしかしたら絶版になっているのかも
しれません。
だって3,000円以上もしますからね。
しかしなんだかとても気になります。
しかたがないので
中古で我慢することにしました。
するとこれが
どこかの図書館のお下がり。
「背」の下部に
分類シールが貼られていますし
「見返し」を開くと
【除籍】というゴム印が押されています。
図書館でのお役目が無事に終わって
第二の人生を歩みはじめた
そういう絵本だったというわけですね。
そんな絵本がめぐりめぐって
ひつじかいの元へとやってきたのです。
そう考えただけでひつじかいは
じ~んと胸を打たれてしまったのでした。
『あるいていこう!』
アンナ・クララ・ティードホルムさく
ひしきあきらこやく/ほるぷ出版/1995
作者のアンナさんは
ストックホルムの出身だそうです。
ストックホルムといえば
スウェーデンの首都ですが
彼の国には著名な児童文学書が
ずらりとラインナップしています。
『ニルスのふしぎな旅』
『長くつ下のピッピ』
『山賊のむすめローニャ』
絵本でもエルサ・ベスコフという作家が
『もりのこびとたち』などの名作を
著しています。
作者はいずれも女性です。
『あるいていこう!』
とは
またなんていいタイトルなんでしょう!
さっそく読んでみることにしましょう。
あるいて、とまって、最後は家に帰り着くまでの物語
『あるいていこう!』
の内容はいたってシンプルです。
ズボン
ジャンパー
ながぐつをはいた女の子が
どんどんどんどん歩いて
ときどき「ちょっと止まって」
あたりを見回し
またどんどんどんどん歩いて
歩いて
自分の家に帰り着くという
ただそれだけのお話しですから。
こんな単純なお話し
誰にでも書けそうですが
単純だからこそ
そう簡単には書けないのです。
少なくともひつじかいには
書けませんね。
もっといろいろと
書きたくなってしまうはずですから。
このきわめてシンプルなお話しを読んで
図書館にやってきた子どもたちは
いったい何を感じたのでしょうか?
そういうひつじかいは?
わたしは・・
そうですね、このお話しから感じるのは
「人生」ということでしょうか。
どんどん、歩いて歩いて
最後は自分の家に帰ってくる。
自分という名の家に帰ってくる。
つまり
最終的に自分にたどり着くということ。
このお話しは、そういうことを
暗示しているのではないかなと
そんな印象を受けました。
歩くことは万病予防につながるってホントかな?
下世話な理由から歩きはじめた
ひつじかいですが
新緑のなかをもくもくと歩いていくと
そんな下世話な気持ちも
あっという間に吹き飛んで
この絵本のことばではありませんが
どんどん どんどん
あるいていこう。
というような気分になってくるから
不思議です。
はじめのころは重かった足取りも
次第に軽やかになってきました。
3㌔歩くだけでへばり気味だった身体も
今では5.6㌔を日課にするくらいまでに
つよくなってきました。
「もっといけそうだな」と考えましたが
1日の歩数の上限は8,000歩がベスト!
これを超えると
かえって免疫力を低下させてしまう。
『やってはいけないウォーキング』
青栁幸利著/SBクリエイティブ
という青栁先生の言葉を思い出し
これ以上距離を延ばすのは止めました。
ちなみに5.6㌔というのは
ひつじかいの歩幅(70㌢)に
8,000を掛けた数字になります。
さらにこの8,000歩のうちの20分間を
速歩きにすることで
生活習慣病の発生率が10分の1にまで
軽減するのだそうです。
群馬県中之条町の住民5,000人を対象に
20年かけて追跡調査したデータから
導き出された結論であるだけに
とても説得力があります。
「中之条モデル」といえば
ウォーキングの世界では
世界的に(笑)有名なんだそうです。
過ぎたるは猶及ばざるが如し
ともいいますので
これからも欲をかかずに
マイペースで歩くことにしましょうか。
歩きながら考える
ひつじかいはいつでも
どんどん どんどん
歩きながら
なにか絵本のネタになるようなものは
ないかなあと
あたりを見つめています。
いろいろなものを見つめていますが
なかなか絵本のストーリーにまで
発展させることはできません。
それどころか
作りかけのストーリーを
完成させることも、ままなりません。
というのも
いたるところにペイントされた
落書きが目についてしまって
あれこれと連想してしまうからです。
道路・マンホールの蓋
擁壁・側壁
橋の欄干・橋げた
ガードレール&ガードパイプ
電柱・街灯の支柱
道路交通標識・カーブミラー
消防器具箱
ベンチ
「愛のパトロール」の看板
蕎麦屋の室外機
ひつじかいが日課にしている
ウオーキングコースだけでも
100個近い落書きが
ディスプレーされています。
行政が消した上にまたしても書いたり
最近ではシールタイプの落書きまで
目にするようになりました。
歩きながら
絵本のことを考えはじめるのですが
いつしか想念は
これらの落書きをする人の心理へと
向かってしまうのです。
こうした落書きは
世間への反抗なのか・・
あるいは
個人の存在を顕示するためのものか・・
それとも
単なる憂さ晴らしか・・
などなど・・・。
落書きそのものを擁護する気持ちは
毛頭ありませんが
落書きがこれだけ多いということは
なんらかのフラストレーションが
この社会に存在するからだろうと
心はいつまでも
これらの落書きの周辺を漂い続けます。
なかには古ぼけて
20年以上も前にペイントされた落書きも
混じっていそうです。
これらの落書きを書いた人のなかには
「公務員になった人もいるかもしれない」
などと追想しながら
落書きをまじまじと見つめてしまいます。
「昔書いた落書きを見たら
その人はいま何を思うのだろうか?」
とそんなことまで考えながら
歩いています。
もうそろそろ落書きから距離をおいて
絵本の新しいネタを見つけたいと
思っています。
歩いていく 歩いていく
僕の「今」を生きていこう
君がくれた言葉はここにあるよ
そうだよ 歩いていこう
(いきものがかり『歩いていこう』から)