自作童話『ミミちゃんの不思議なポケット』(後編)をシェア!

こんにちは、もりのひつじかいです。

 

今日は
前回お届けしました自作童話
『ミミちゃんの不思議なポケット』の
後編をシェアいたします。

 

まだまだ
あなたに披瀝できるようなレベルに
達してはいないかもしれませんが
ひつじかいは
「作品を人目にさらす」という課題を
自分自身に課すことで
ブレークスルーできるのではないかと
考えています。

 

この作品をはじめ
「人目にさらす」
シェアするという考え方についても
いつかあなたのご意見を
お聞きしてみたいなと思っています。

 

自作童話(後編)をお楽しみください

童話とは
「子供のために作った物語」であると
前回お話ししました。

また

ひつじかいの独自な見解ではありますが
「リズムとテンポが大事!」
ということについて
自作童話(前編)をお読みいただきながら
体感いただきました。

 

今回お伝えしますのは
その(後編)です。

 

リズムとテンポ。

特にテンポに関しましては
物語の結末まで
軽快な足取りが保たれているかどうか
フォーカスしながら読み進めてください。

 

自作童話・前篇につきましては
こちらからご確認いただけます。

 

☆ミミちゃんの不思議なポケット(後編)

次にやって来たのは
たぬきパパと子だぬきの親子です。

 

ふたりの話しでは
狸囃子(たぬきばやし)に使う
だいじな古太鼓(ふるだいこ)が
突然消えてしまったというのです。

 

「あれが見つからないと
 みんな、がっかりしてしまいます。
 だって考えてもみてくださいな。
 太鼓が聞こえないお祭りなんて
 カレーのかかっていない
 カレーライスのようなもの
 ですからね」

 

たぬきパパはそう言うと
自慢のおなかをポンポコポン
とたたきました。

 

ところが子だぬきのターくんは
なんだかしょんぼりしています。
ミミちゃんは少し心配になりました。
だからメモは
それぞれに
入れてもらうことにしました。

 

たぬきパパは
大きな字で「ふるだいこ」と書いたメモを
さっとポケットに入れましたが
ターくんは
キョロキョロそわそわするばかりで
ポケットに近づこうともしません。

 

 

「心配しなくてもだいじょうぶ。
 あなたが困るようなことには
 ならないわ」

 

はげますようにミミちゃんが言いました。
ターくんは“こくん”とうなずくと
しわくちゃになったメモを
そっとポケットに押しこみました。

 

ミミちゃんは、きゅっと目をつぶると
向こうから
〈おはなし〉が
やってくるのを待ちました。

 

やがて、たぬきパパの背中が
ぼんやり浮かびあがりました。

 

「大きなクスノキが見えるわ・・・。
 パパさんがその木の洞(ほら)に
 太鼓をしまったところよ」

 

目を閉じたまま
ミミちゃんはささやくように言いました。

 

「そうです、そうです!
 おっしゃるとおり
 洞にしまったはずなのに
 その太鼓が
 ぷっつり消えてしまったんです。
 まるで手品みたい-」

 

パパだぬきが
最後まで言い終わらないうちに
ミミちゃんが声を張りあげました。

 

「パパさん、ちょっと待って!
 洞の前にターくんが現れたわ!」

 

たぬきパパがクスノキを後にすると
すぐにターくんがやって来たのです。
そうして、パパがしまった太鼓を
そろそろと引っ張り出したのでした。

 

「なんだって!」

 

たぬきパパは
まるい目をもっと丸くして
ターくんの顔をのぞきこみました。

 

「本当かい?」
「本当だよ、パパ。
 ぼくが太鼓を持ち出したんだ」

 

さっきまでの様子とはうってかわって
ターくんは
しっかりした口調で言いました。

 

「ごめんね、パパ。
 でも、ちょっと聞いて。
 ぼくはね、パパ、
 太鼓なんて、やりたくないよ!
ぼくはフルートを吹きたい
 ぼくはね・・フルートを吹きたいんだ!」

 

ターくんは
まっすぐパパを見上げました。
たぬきパパは、しばらくだまって
ターくんを見つめていましたが
やがて
「ふう~」と大きく息をつきました。

 

「わたしはね、ミミちゃん
 たぬきが狸囃子をやるのは
 当たり前だと思っていました。
 それを疑いもしなかった。
 息子も
 まったく同じ気持ちでいるものと
 勝手に思いこんでいたのです・・・」

 

たぬきパパは、ほろ苦く笑うと
ターくんの頭を
つるりとやさしくなでました。

 

「よく分かりました、ミミちゃん
 こいつの話しを聞いてやらなくちゃ・・。
 どうも、お世話になりました」

 

たぬきの親子は
そろってぺこりとおじぎをすると
仲良く帰っていきました。

 

 

きつのねツネキチがやって来たのは
午後も
だいぶ遅くなってからのことでした。

 

ツネキチは、森の仲間たちに
いじわるばかりしているものですから
皆から敬遠されていました。

 

ツネキチは
ポケットをひとにらみすると
にやっと笑って

「ふん!」と

つまらなそうに鼻をならしました。

 

「なんだ、だだのポケットじゃないか!
 もっとすごいものかと思ってた・・・」
「おあいにくさま。
 だけど、このポケットはね
 ただのポケットではないのよ」
「へえー、本当かな?」
「本当よ」
「そんなに言うんなら・・・
 おいらが捜してる物って、な~んだ?
 ズバリ当てたら
 信じてやってもいいぜ」
「分かったわ。
 それじゃあ、このポケットに
 あなたのメモを入れてみて」
「メモ? メモなんてないよ」
「ノートの切れはしでもいいわよ」
「あのさ、おいらノートなんて
 見たこともない」
「あら、困ったわ・・・。
 そうだ、それでは手にしましょう!
 このポケットに
 あなたの片手を入れてみてちょうだい」
「え? それはだめだね」
「なぜ?」
「だって、おいらの手、きたないから」
「いいのよ、かまわないわ」

 

ツネキチは少し迷っているふうでしたが
両手を見くらべて
ちょっとだけきれいな方を
ぷいっとポケットに突っこみました。

 

ミミちゃんは、しずかに目を閉じました。
そうして、いつものように
向こうから
〈おはなし〉がやってくるのを
待ちました。

 

かなりの時間がたったころ
母ぎつねが
すーっと目の前に現れました。
子ぎつねが三匹
その足元にまとわりついています。

この日の狩りは
どうやら不首尾に終わったようです。
それでもどうにか、子どもたちに
おっぱいだけは飲ませてやりました。

 

「母ぎつねはね、ふらふら立ち上がると
 もう一度
 食べ物を探しに出かけて行ったわ・・・。
 でも、二度と戻ってはこなかった・・・」

 

ツネキチは
ポケットに入れていた手を
思わず引き抜きました。

 

「子ぎつねたちは
 おなかをすかせて鳴き続けたわ。
 森の仲間たちはふびんに思って
 かわるがわる食べ物を届けたのよ・・」

 

〈おはなし〉には
まだ続きがありましたが
あたりが
急にひっそりしてしまったものですから
ミミちゃんはそっと目を開けてみました。
ツネキチは背中を向けたまま
声をたてずに泣いているようでした。

親子ぎつね

「ごめんね、お母ちゃん。
 おいらたちのために、ごめんね・・。
 おいら、そんなこと全然知らなくて
 お母ちゃんに見捨てられたんだと
 ずっとずっと、そう思ってた・・。
 ありがとう、お母ちゃん」

 

なんだかツネキチは
目の前にいるお母さんに向かって
話しかけているように見えました。

 

しばらくして、ぎこちなく振り向くと
ツネキチは深々とおじぎをしました。
そうして、鼻水をすすりながら
森の奥へと帰っていきました。

 

 

それから何日かたったある朝
ミミちゃんが
お気に入りの洋服を着ようとすると
いつものポケットが見当たりません。

 

(あれ?
 このお洋服じゃなかったのかしら?)

 

別の洋服を引っ張り出してみましたが
もちろんそこにもありません。

 

ミミちゃんは
お母さんのところへいくと

 

「たいへん、たいへんよ
 ポケットが消えちゃった!」

 

と大きな声で言いました。
するとお母さんは
にっこり笑いながら

 

「ミミちゃん、お疲れさま。
 次の〈ポケット〉が決まったみたいね」

 

と言いました。

 

「え? 本当? 今度は誰かしら?」

 

ミミちゃんは
ポケットが取れて真っ白になった洋服を
しげしげとながめました。
そうして

(やっぱり、なんだかさみしいわ)
って思いました。

 

終わり

 

自作童話に関する後日談

『ミミちゃんの不思議なポケット』(後編)
いかがでしたでしょうか?

 

リズムとテンポ。
狙い通りに表現できていたでしょうか?

あなたの感想をお寄せください。

 

ところで、この自作童話につきましては
後日譚がありまして
ひつじかいの知り合いの占い師さんが
スピ系のユーチューバーさんと組んで
ピアノ伴奏付きで
朗読してくれることになったんですね。

 

でも、ひとつだけ注文が出されました。
シマリスのエピソードも
親子だぬきのエピソードも
どちらも予定調和的だというんです。

ただし、ツネキチはとても気になる。

気になるツネキチのエピソードを
もっと掘り下げて欲しい、と。

つねきち

なるほど、そうきましたか!

 

「分かりました、やりましょう」と
ひつじかいは安請け合いをしました。
そうして原稿用紙に向かったわけです。

ところが・・・

これが、書けないんですね。
もう二ヶ月近くになりますが
一向に物語が展開しないのです。

 

どうしてなのかな?と考えました。

 

考えに考えてたどり着いた答えが
童話とは「子供のために作った物語」
でなければいけないという
原点を思い出すことでした。

 

ツネキチのエピソード(母と子)を
掘り下げていくと
童話では表現しきれない領域に
踏み込むことになってしまいます。

 

世間には
もっと複雑なテーマを
さらりと書いてしまう童話作家が
何人もいらっしゃるのでしょうが
今のひつじかいには
「少しハードルが高過ぎるのかな」
という感じですね。

 

でも
せっかくのお話しですから
まだまだ諦めたわけではありません。
以前投稿した記事
※「寝かせる」ではありませんが

 

※「寝かせる」の関連記事は
こちらからお読みいただけます。

 

ひょっとすればこの瞬間にも
物語の発酵は進んでいるのかも
しれません。
だからもうしばらく
のんびり様子をみることにしましょう。

 

うまくいったら
自作童話の朗読動画(口が回りません!)
アップしちゃいますからね!

 

 

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