こんにちは、もりのひつじかいです。
二人目の子どもが
まだ妻のおなかにいたころ
「これに反応したら女の子かも」
などと笑いながら読み始めた絵本
『もりのひなまつり』
こいでやすこ作/福音館書店/1992
ところが
思いがけずおなかの子の反応がよくて
あえて出生前診断は
受けないことにしていたのですが
なんとなくわかってしまいましたね
「女の子かな?」ってね。
そして
その直感は間違ってはいませんでした。
ということで今日は
胎教としての絵本の「読み聞かせ」
その「読み聞かせ」用の絵本について
考えてみたいと思います。
胎教にいいと評判の絵本を並べてみると・・
いろいろなサイトが
様々な絵本をリストアップしています。
でも、こまかく見ていくと
その〈お勧め絵本〉には
類似の傾向があることに気がつきました。
それは・・
☆あなたのことが大好きだよ
☆あなたのことを待っていたよ
☆生まれてきてくれてありがとう
というポジティブなメッセージが
やさしくつづられているということです。
具体的な書名を挙げてみましょう。
(ひつじかいがリサーチした範囲での
ランキングも付けておきますね。)
①『みんなであなたをまっていた』
ジュリアン・シールズ文
アンナ・カリー絵/松井るり子訳
ほるぷ出版/2011
②『ちいさいあなたへ』
アリスン・マギー文
ピーター・レイノルズ絵
なかがわちひろ訳/主婦の友社/2008
③『あなたがだいすき』
鈴木まもる(絵・文)/ポプラ社/2002
④『どんなにきみがすきだか
あててごらん』
サム・マクブラットニ文
アニタ・ジェラーム絵
小川仁央(訳)/評論社/1995
⑤『うまれてきてくれてありがとう』
にしもとよう(文)
黒井健(絵)/童心社/2011
⑥『おなかの赤ちゃんとお話ししよう』
葉祥明(絵・文)
/サンマーク出版/2000
⑦『おへそのあな』
長谷川義史(絵・文)
/BL出版/2006
ベスト10とまではいきませんでしたが
ここに挙げた7冊は
いってみれば〈鉄板の胎教本〉
ということになるのでしょうか。
絵本の専門ではない出版社も
ちらほら見えて結構面白い顔ぶれです。
しかし『あなたがだいすき』とか
『どんなにきみがすきだかあててごらん』
などの絵本は
「胎教本」に括ってしまったら
作者に叱られてしまうかもしれませんね。
これらの絵本が胎教にいい理由とは?
それは、いくつも考えられるのでしょうが
専門家?(なんているのかな?)
のコメントによるとこうなるでしょうか。
これらの絵本に共通の、やさしく
おだやかなメッセージを読むことで
お母さんの心に「愛の感覚」が
呼び覚まされます。
その「愛の感覚」がおなかの子を
ソフトにつつみこみ
健やかな成長を促進するのです。
というわけですね。
「愛の感覚が呼び覚まされる」
というところがミソなんですよね。
ということは
「愛の感覚が呼び覚まされる」
そういう類の絵本であれば
何も〈鉄板の胎教本〉にこだわる必要は
ないということでしょうか。
ひつじかいの妻は
昔からお雛様が大好きでしたから
『もりのひなまつり』を読んで
「愛の感覚」が呼び覚まされたうえに
この絵本には
楽器の音色やら歌やらが出てきますので
音楽好きの妻は、すっかり楽しい気分に
なったんだと思うのです。
この楽しい気分というのが
これまた大切なポイントではないかと
ひつじかいは考えています。
ママの声を聞きたがっている
日本の周産期医療における
「胎内記憶」の第一人者と目される
池川明氏(池川クリニック院長)が
2000年代の初めに著したレポートには
幼いころに「体内記憶」をもっていた
そんな子どもたちのつぶやきが
いくつか書きとめられています。
『おぼえているよ。ママのおなかに
いたときのこと』
池川明著/リヨン社/2002
『ママのおなかをえらんできたよ。』
池川明著/二見書房/2004
これらのレポートを読むと
ママのおなかにいる子どもたちは
ちゃんとママの言葉を聞いているんだな
ということがよく分かります。
そればかりか
ママに話しかけてもらいたがっている
(もちろんパパだっていいんです!)
ということも知ることができます。
なぜならおなかの中は
そんなにさみしくはないけれど
ちょっと暗いし
何よりも一人ぼっちだし・・
だからママが楽しそうに
読み聞かせをしてくれたり
話しかけてくれたり
歌ったり踊ったりしてくれることが
とってもなぐさめになるのです。
歌あり楽器あり踊りありの
『もりのひなまつり』が
おなかの中にいたときの娘の心を
すっかりとらえてしまったのも
そういう理由からだったんですね。
ここで驚くのはまだ早い?
池川氏は子どもたちの「体内記憶」を
丹念に収集していくうちに
「体内」をとおりこして
「体内」に宿る前の記憶まで有する子が
一定数存在することに気がつきました。
いわゆる「生前記憶」です。
そういう子どもたちに向かって池川氏は
真摯に質問を重ねていきます。
ママはどうやって決めたの?
自分で選んできたの?
どうしてそのママ(パパ)のところに
生まれてきたの?
これらの問いかけに対する回答を
まとめたところ
実に9割を超える確率で
同じ答えが得られたそうです。
曰く-
→ママは自分で選んできた。
→パソコンの画面を見ながら
選んだ。
→ママを助けるためにやってきた。
つまり子どもたちは
ママの役にたちたい、手助けをしたい
と願って、自分でママを選んできた
ということを言っているのです。
子どもたちの「生前記憶」に関する記録は
『かみさまとのやくそく』
監督・荻久保規男/製作・2014
という
ドキュメンタリー映画に編集され
これまでに世界で3,200回以上も
上映されていますので
あなたもどこかでご覧になられたかも
しれませんね。
・・・・・・
『もりのひなまつり』
から始まったお話しが
はるか遠くまできてしまいました。
ここで
ひつじかいが言いたかったことを
もう一度整理させていただくと
胎教のための読み聞かせの絵本は
ママ自身のためになる絵本ー
たとえば
ママが落ち込んでいるのならば
明るくなれるような絵本
ママが退屈しているようであれば
わくわくするような絵本
ママがパパとけんかして不幸せなら
ハッピーになれるような絵本
そんな絵本を読んでくれることを
あなたのおなかの子どもは
願っているのだと思います。
だから
鉄板のお勧め本に惑わされることなく
ママのインスピレーションで
選んでもいいのではないでしょうか。
どうしても選書できないときは
おなかの子にたずねてみればいいのです。
「この絵本でいい?」って・・・。
きっとユニークなお返事が
か え っ て く る か も
しれませんよ。