感動的な〈猫絵本〉はこれ!「ガイドブックから探して・・」続編

ねこ 絵本なんでもファイル

こんにちは、もりのひつじかいです。

今日は
前回お伝えした記事の続編を
お届けしたいと思います。

前回の記事は
→ こちらから確認いただけます。

〈猫絵本〉というジャンルは
とても大きなカテゴリーだということが
呑気なひつじかいにも分かってきました。

様々なタイプの〈猫絵本〉があり
年年歳歳
ラインナップが変化していることも
なんとなく理解できました。

そしてさらに

〈猫絵本〉には

他の動物ものにはない

特徴があることに気がついたのです。

それをあなたに
お伝えしたいと思います。

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まずは前回の続きから

『猫を愛する人のための猫絵本ガイド』
(さわだたちこ著/講談社
/2010年発行)

という〈猫絵本〉のガイドブックでは
あなた好みの❝ねこ❞に出会えるよう
絵本を次の12のタイプに分けて
概説しています。

*美しすぎる猫
*いやしてくれる猫
*友だちになりたい猫
*働きものの猫
*頼りになる猫
*子どもごころがわかる猫
*なぞめいた猫
*おともにしたい猫
*名作のなかの猫
*思わず笑っちゃう猫
*いい味だしてる脇役猫
*心をあたためてくれる猫

前回はその中から
「美しすぎる猫」以下5つのタイプに関し
ご紹介しました。
チョイスした作品は各タイプ1冊です。
ひつじかいの直感に任せて選んでいます。

今回はその続編ですから
「子どもごころがわかる猫」以下
7つのタイプについて
ご案内していきたいと思います。

*子どもごころがわかる猫

猫は二律背反的ないきものです。
〈成熟〉と〈幼児性〉が同居しています。
ついさっきまで甘えていたかと思うと
ぷいっとどこかへ行ってしまう・・・。

猫はいつだって
子どものように自在なのです。
〈こどもごころ〉にあふれた
存在なのです。

そこで、こんな1冊を選んでみました。

抱っこ

『ねえだっこして』
(竹下文子ぶん/田中清代え
 /金の星社・2004年)

おうちに赤ちゃんが産まれて
お母さんは赤ちゃんにかかりきり。
もう前のように遊んでもくれません。
弟ができたお姉ちゃんのような気持ちで
猫は〈だっこ〉をせがむのですが・・・

猫の所作をとおして
〈こどもごころを〉知らされる
そんな、ほのぼのとした一冊です。

*なぞめいた猫

外を自由に歩き回っている家猫なんて
今ではほとんど見かけませんが
ひつじかいが飼っていた猫たちは
みんな外出好きでしたので

「どこで何をしているのか」

つねに謎だらけでしたね。
ある猫などは
全身に火傷を負って戻ったことがあり
行動の不可解さに首をかしげたものです。

『まっくらまっくら』※中古在庫あり
(いちかわけいこ文/たかはしかずえ絵
 /アリス館2006年)

猫は暗いところもでも平気。
そして好奇心が旺盛。
暗い〈おんも〉を歩き回って
いったい何を企んでいるのでしょうか?

闇と不可思議な猫の習性とを組み合わせた
独創的な絵本です。

*おともにしたい猫

これは
この絵本に登場する猫をおともにしたい
ということではなくて

「おともにして持ち歩きたい絵本」

という切り口からのアプローチです。
そうであるとするならば-

『こねこちゃんはどこへ』※中古在庫あり
(かんざわとしこ作/ちょうしんた絵
 /架空社・1993年)

次々と夢を実現していくこねこちゃん。
最後には月にまで行って
結婚もするんですよ!

お供に持ち歩くにはうってつけの絵本
あなたのモチベーションがあがること
まちがいありません!

*名作のなかの猫

『吾輩は猫である』をはじめ
猫は
宮沢賢治の童話の数々にも登場しますね。

ほかには

『長靴をはいた猫』なんていうのも・・・。
猫が語るお話しというのは
絵本の独壇場ではありません。

銀河鉄道

そこで
今回は思い切って
コミックから
選んでみたいと思います。

『ますむら・ひろし宮沢賢治選集2
銀河鉄道の夜』
(ますむら・ひろし作画
 /メディアファクトリー)

ますむらさんが描く『銀河鉄道の夜』は
アニメにもなりましたので
もしかしたらあなたも
ご覧になられているかもしれませんね。

登場人物は
みな、猫として描かれています。
この猫が実に活き活きとしているんです。
感性を震わせてくれます。

ここで紹介している
コミック版もいいですが
ひつじかいは

銀河鉄道の夜

画像:Amazon通販サイトから転載


『ますむら版宮沢賢治童話集
 銀河鉄道の夜
 最終形/初期形[ブルカニロ博士篇]』を

〈超〉おすすめしておきます。

*思わず笑っちゃう猫

猫は本来警戒心の強いいきものですが
家から一歩も出ない種族の中には
あたかもニンゲンのように
仰向けでお腹を丸出しにして
お行儀悪く眠る輩も出現しています。
そんな姿態は思わず微苦笑を誘います。

ここでは
猫の行動や存在そのもののユーモア性に
着目しています。

おれはねこだぜ

画像:Amazon通販サイトから転載


『おれは猫だぜ』
(佐野洋子さく/講談社・1993年)

このシュールな展開に
おそらく今の子どもたちは
ついて来られないかも!

これは〈猫〉だから成立したナンセンス
だと思います。
他のいきものであったら
ここまでのブラックなおかしみは
表現できなかったのではないでしょうか。

*いい味だしてる脇役猫

脇役ということですから
あくまでも
〈引き立て役〉でなければいけません。
でも猫といういきものは
どうしても目立ってしまうんですね。

ところが

いましたよ、いました
名脇役が・・・。

『うえきやのくまさん』
(フィービ・ウォージントン
 &ジョーン・ウォージントン作
/まさきるりこ訳/福音館書店・1987年)

 

植木屋のくまさんのそばには
つかずはなれず
寄り添うように白い猫が・・・。

さりげない存在感が
こころに染みます。

*心をあたためてくれる猫

かつてひつじかいも
しろばかりが目立つ三毛猫(♀)と
暮らしたことがありました。
猫だというのに強い自己主張もなく
心根のやさしい猫でした。
今でも彼女のことを時々思い出します。

ここでは
オーソドックスな絵本ではなく
写真でつづる「ノンフィクション絵本」を
選んでみたいと思います。

さよならエルマ

『さよならエルマおばあさん』
(大塚敦子・写真&文/小学館・2000年)

ガンで闘病を続けるエルマおばあさんを
最後まで見守り続けた猫。
猫の目線を通して語られる
人の生と死。

写真のもつリアリティが
遺憾なく発揮された名作です。

この作品につきましては
後日改めてレビューしたいと思います。

〈猫絵本〉ならではの特徴とは

こんなところまで引っ張ってしまって
ごめんなさい。

ブレーメンの音楽隊

ひつじかいはこれまでにも
たくさんの〈猫絵本〉に接し
今回さらに
227冊ものガイダンスに目を通し
分かったことがあります。

それは

〈猫絵本〉は

「大きく二つのタイプに分けられる」

ということです。

児童書編集者の
エレン・E・M・ロバーツさんの
「絵本の定義」を引くまでもなく
絵本に登場する動物というのは
通常は
「ひとの思いや考えを託された存在」
であるはずなんですね。

当然

〈猫絵本〉に登場する多くの猫たちも
そうしたひとの意思を体現しています。
ますむらひろしさんの『銀河鉄道の夜』
ではありませんが
猫がひとの思いを語っているわけです。

ところが〈猫絵本〉には
もう一つのタイプが存在する
ということに
ひつじかいは気がつきました。

それは
ひとの思いを代弁するものではなく
「猫そのもの」を語った
そういう絵本も数多く存在している
ということです。

前回ご紹介した絵本でいえば
『ねこのシジミ』という作品が
これに該当すると思います。

こういう傾向は
他の動物ものには見られない特徴かなと
ひつじかいは思っています。

つまり
猫というミステリアスないきものは
ひとの思いを仮託しても、しなくても
「物語の主役として十分にやっていける」
ということを表しています。

〈猫絵本〉が
これだけ隆盛を極めている理由が
ここにあるのではないでしょうか。

要するに〈猫絵本〉には
ほかのいきものにはない可能性がある
ということなんです。

猫は

犬のように

類型化することができません。

だから

「猫の数だけ絵本を描くことができる」

のかもしれません。

ということで
ひつじかいも、現在
とっても気になるいきもの
猫の
絵本ストーリーを練り上げている
最中です。

あなたも
〈猫絵本〉の可能性に
チャレンジしてみませんか?

 

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