こんにちは、もりのひつじかいです。
コロナ禍による外出自粛にともない
ひつじかいは
長年の懸案事項をまたひとつ
解消いたしました。
それは
未整理のままストックしてきた
アナログ写真の山&山を
〈増えるアルバム〉に整理するという
不要不急の一大プロジェクト(?)
であります。
スタックさせてしまった時間は約20年。
ストックした写真はおよそ5000枚。
使用した〈増えるアルバム〉は21冊。
おおまかに見積もっても
業務完了までに
たっぷり300時間はかかりました。
一方では身の回りのアイテムたちの
感謝離と卒捨離を粛々と進めながら
写真だけは断捨離しないという
自己撞着とたたかいながら
約20年分の家族の記録を
1ページずつ丹念に
レイアウトしていきました。
最初は
単に
未整理の写真をアルバム化するという
半ば義務的なものでしたが
作業を進めていくうちに
2年前に亡くなった息子の人生と
ま正面から向き合うこととなりました。
ノルマであったはずの道は
いつしかその趣を変転し
亡き息子の追憶を探し求める旅へと
変容していきました。
この気の遠くなるような作業を通して
ひつじかいは「ある気づき」を
得たように思います。
今回は
そんな極めて個人的な体験を
あなたに語ってみましょう。
あなたが
未整理のアナログ写真をお持ちなら
なおさらのこと
最後までお読みいただければ
きっと
役立つものがみつかるはずです。
非アルバム化のつまづきは「完璧主義」
先ほど
約20年分のアナログ写真を
ストックしたと書きましたが
それでも
長男が産まれてから
10か月目くらいまでは
整理はしてたんですよ、きちんとね。
アルバムの冊数でいいましたならば
たったの2.5冊でしたが。(笑)
〈増えるアルバム〉の特徴でもある
「写真が自在にレイアウトできる」
という作業が楽しくて
凝ってしまったんですね。
それぞれのページに
気の利いたコメントを書き加えたり
これはという写真を引き伸ばしてみたり
旅先でもらったパンフやチケット
挙句の果ては旅館の箸袋から
領収書まで添付してみたりして・・。
ところが
はじめは面白く感じていたものが
だんだん面倒になってきて
こんなことに時間をかけてはいられない
という気分になってきて。
でも
凝ったレイアウトで
作り始めてしまったものですから
今更
クオリティ-を落とすわけにもいかず
それで
とりあえずストックしておくという
「一時保留」に流れていきました・・。
また不運にもこの頃から
メインカメラの日付が狂い出したのです。
日付を刻印できないタイプのカメラで
撮ったものが混在したり
旅先で買った〈写るんです〉で撮影したり
しかもそのフィルを半年後に現像したり
などなど・・・。
当時は複数のカメラで
多発的に撮影していましたので
関連のエピソードがあちらこちらに
顔を出し
正にカオス状態。
体験が新しいうちは時系列に並べ直す
なんて
造作もないことでしたが
これが20年も経過してしまうと
相当怪しくなってしまったのでした。
さらに追い打ちをかけたのが
満10歳をむかえつつあった娘が
小学校の授業で
「二分の一成人式」をやることとなり
10年分のエポックメークとなった
アナログ写真を選び出す過程で
自分には関係のない年代のそれも含め
全ての写真をシャッフルしてしまう
という
想定外のアクションに及んだことでした。
この時点で
我が家の家族写真の秩序は完全に崩壊し
エントロピーは
極大となったのでありました。
全ての写真を並べるところからリスタート
長男が産まれたのが26年前の1994年。
我が家に
デジタルカメラが導入されたのが
8年前の2012年。
デジタルにはなったものの
子どもたちが学校で注文したり
友人などからいただいた写真類は
基本的にはアナログプリントですから
2012年以降も例のストックは
まるで濡れ落ち葉のように
音もなく堆積していったのであります。
不要不急のプロジェクトは
この
幾層にも堆積してしまったプリントを
とりあえずカルタのように
畳に並べてみるところから始めました。
この写真はかなり整理が進んだ段階で
撮影したものですが
当初の混乱は
こんなものではありませんでした。
部屋がアナログ写真で埋め尽くされた
と言っても過言ではありませんでしたね。
こうして
ひとまずその所在を確認した写真を
次に西暦順(暦年別)に
区分し直しました。
うかつなことに1999年以前の手帳は
紛失してしまったため
1994年後半から2000年にかけての
アナログ写真については
写真と一緒に同封しておいたメモや
カメラ屋さんから受け取った封筒
写真に写り込んでいる行事や風物
春夏秋冬
被写体の衣服や靴、帽子
子どもたちの成長ぶり
そしてなによりも我が記憶とカンを頼りに
当該年を判別していきました。
しかし
「この暦年別」という区分が
後々の混乱を誘発することになりました。
たとえば長男は1月生まれですが
1歳11か月のときの写真
(1995年12月)と
2歳2か月のときの写真
(1996年3月)とを
この段階で峻別することは
至難の技だったからです。
それじゃあ
一体どうすればよかったのでしょうか?
カンの鋭いあなたなら
もうお分かりのことでしょうね。
そうです
暦年ではなく
子どもたちの年齢別に
区分すべきだったのです。
こうしておけば暦年よりは
「あそび」が大きくなり
ページの前後を入れ替えたり
改めてレイアウトし直す
などというよけいな手間も
それほどは
かからなかったかもしれません。
幸い2000年以降は
手帳がしっかり保存されていましたので
そこに書かれたメモが
大いに役立ちました。
ほんのちょっとした記述でも
その写真の日時を裏付ける
確証となったのです。
例えば-
◯月✕日
妻の誕生祝いを2日前倒しで行う
ケーキ、色々と乗せたクラッカー
ちらし寿司、シャンパン
なんていう記述は
実にありがたかったですね。
月日が経ってしまうことで
いくら家族で額を寄せ集めてみても
誰の誕生祝いを写した写真なのか
判然としなくなっていたからです。
このように
20年間がシャッフルされてしまった
アナログ写真は
その日付を特定するだけでも
相当の時間を
要することとなったわけです。
記録が記憶に昇華するとき
20年間という時間を一気に整理する
というこの一大プロジェクトでは
26年前と同様
そのハードに
〈増えるアルバム〉を選択しましたので
思い切って所期のレベル
(ということはかなり凝ったレイアウト)
を採用することとしました。
よって
アナログ写真の貼り付け作業にも
相当の時間を要することと
なったわけです。
最後の一葉をレイアウトし終わると
そのアルバムの通し番号は
№24となっていました。
№1、№2及び№4の途中までで
止まっていた時間が
ほぼ時系列に整理されました。
ほぼと言いますのは
増え過ぎて
№2に収めきれなくなってしまい
裸のまま保存していたページを
便宜上№3としましたので
№3と№4との双方に
時系列の乱れが生じてしまったのです。
これを修正するためには
大幅な入れ替え作業が必要になるため
この部分だけは
泣く泣く目をつむることにしました。
このほかにも
このプロジェクトには
胸を締め付けられるような関門が
待ち構えていました。
長男の誕生と長女の誕生との間には
9年間というギャップがありましたので
長女が登場するのが№15となります。
従いまして№14までの主役は
当然長男ということになるわけですが
№14まで
もうこの世にはいない息子の写真を
真ん中に据え
黙々とレイアウトを続けたのです。
何度も手が止まりました。
このプロセスのなかで
忘却の彼方に沈んでいた
様々な思い出に陽が当たり
その時々の風合いが蘇ってきました。
手触りや匂い
窓から差し込んでいた午後の光
やさしく交わされた数々の言葉
おもちゃ
食べ物
肌の温もり
幸せな日々の追憶の数々・・・。
ページをレイアウトしていく作業は
失われた時を
記憶を
再構築するプロセスのように
思えてきました。
スタックさせてしまった時を
もう一度生き直す機会となったのです。
完成したアルバムをずらっと陳列!
妻はこの様子を眺めながら
「こんなに大量のアルバムを
(私たち亡き後)誰が保管するのかな?」
とつぶやきました。
「確かにね・・・」
とひつじかいは応えました。
(娘に押し付けることだけはすまい。)
でも、ひつじかいは思いました。
誰も保管するものがなくても
それはそれでよしとしよう。
だって
ストックされていた写真という記録が
整理されたことで
それが記憶へと昇華したのだから
もうそれだけで充分だと思ったのでした。
もしかしたら
ひとがアルバムというハードを遺すのは
家族と共に生きてきた「記録」を
こんなふうに「記憶」へと
昇華させるためなのかもしれません。
アルバムというのはそれを具現化する
シンプルな装置なのかもしれません。
こんなにも
デジタル化が進行する世の中にあって
なおかつアルバムが所望される理由が
そこにあるのかもしれません。
写真のアルバムを整理しながら
そんなことを考え続けた50日間でした。
写真の断捨離とは
真逆の作業となりましたが
「未整理の写真をなんとかしたい」
というプレッシャーから解放されました。
写真という記録から解放されました。
息子への思慕の念が癒やされました。
それが「写真への思い」に対する
断捨離だったといえるかもしれません。
*卒捨離だったかもしれません。
*卒捨離とはひつじかいの造語です。
捨離そのものから卒業するという意味を
込めています。
ちなみに
今回ひつじかいがチョイスした
〈増えるアルバム〉はこちらです。
ご参考までに。
50ページというボリュームの割に廉価
(1冊税込み1,209円)で
表紙もしっかりしています。
また台紙の粘着力も申し分ありません。
一連の反断捨離作業(?)を通して
アルバムの編集作業に熟達しました。
ページのレイアウトなどに関する
あなたから質問にも
しっかりお答えできるかと思います。
よろしかったら
メールなどしてみてください。