再録!「関ヶ原の戦い」を絵本ストーリーにクリエイト

こんにちは、もりのひつじかいです。

 

前回は
歴史上の出来事から題材を得て
編集し直すという
「再録」という手法の実践ということで
「関ヶ原の戦い」をまな板に載せて
絵本仕様にクリエイトしたらどうなるか
という課題にチャレンジしてみました。

お楽しみいただけましたか?

 

まだお読みでないというかたは
こちらから確認できます。



「関ヶ原の戦い」のポイントを
お伝えしたあと
絵本用のスクリプト(あらすじ)を
お示ししましたが
肝心の絵本ストーリーが
クリエイトできていませんでした。(汗)

ごめんなさい。

 

再録を含めて
今回は準備万端!ですから
ゆっくりお愉しみいただければと
思います。

 

お山の大将はもういらない?

おやまのたいしょうだれでしょう?

 

※黒字はいわゆるト書きです。
 絵本の本文には掲載されません。

 

【見開き1】

ここは しもざきやま やえん(野猿)

こうえん。

きのう 15だいめとなる ボスザルの

たえこヒデヨシ(つうしょうヒデ)が

このよをさりました。

 

ボス

 

こんもりとした高台
〈おやま〉から降りてくる2人の飼育員。
猿専用の担架を運んでいる。

 

それを静かに見守るヒデファミリー
(以下「ファミリー」という。)の面々。

 

「ダディー!」

 

ヒデJr(ヒロ)が担架に追いすがる。
まだ子猿である。

 

中に1匹だけ天を仰いでいる猿がいる。
ヒデの腹心、石田ジブ醤油(通称ジブ)
である。
中肉中背。精悍な顔つきをしている。

 

やや離れたところからこれらの状況を
冷ややかに見つめるグループがいる。
No2の得川ナイフ家康(通称ナイフ)と
その取り巻き。(以下「グループ」と
いう。)

ナイフはでっぷりと肥えた老猿である。

 

 

【見開き2】

担架が給餌場の角を曲がってしまうと
ゆっくり移動を開始するグループ。
だがその数は意外と少ない。
彼らがめざしているのは、もちろん
〈おやま〉である。

 

ナイフたちの前に立ちはだかる一団。
ヒロを護衛するファミリーの面々だ。

 

ナイフたちはそれらを完全に無視し
すばやく脇を通り抜けると
どっかり〈おやま〉に腰を据えてしまう。

猛然と抗議をするジブ。

 

きが はやいぞ ナイフ!

まだそこは おまはんの いすと

きまったわけでは ないわ!

 

だがいくら抗議をしても
所詮は「猿の耳に念仏」でしかない。

 

 

【見開き3】

ジブたちの抗議は

日増しに烈しさを増していきます。

 

いいかげんうんざりしたナイフは
ファミリーの中から
脈のありそうなクロ(黒田)に目をつけ
台湾バナナを餌に〈おやま〉へ呼び出し
こんなふうに切り出した。

そんなバナナ

クロよ バナナがほしければ 

すきなだけ あげよう。

だから おまえのなかまを

こちらの みかたにつけておくれ。

 

クロは抜け目なく辺りを見回しながら
合点のしるしに大きく頷く。

 

ジブのわるくちを たっぷりきかせ

なかまわれを おこしてみせますよ。

 

黙って笑い合うナイフとクロ。

 

 

【見開き4】

ファミリーのひとり
マゴロク(加藤)に耳打ちをするクロ。
そのほっぺを台湾バナナで優しくはたく。

 

同じくサンザ(池田)に
何かを訴えるクロ。
またしても台湾バナナで・・。

 

ヒョウブの肩をなれなれしく抱くクロ。
バナナをうれしそうに抱えるヒョウブ。

 

 

【見開き5】

イチマツ(福島)にバナナを差し出すクロ。

 

ふん!

 

といってそれを突き返すイチマツ。

 

おれは こんなもののために

ナイフに みかたを するわけではない。

おれは もともと 

ジブというサルが だいきらいなのだ!

 

そう叫びながら
一旦突き返したバナナを奪い取り
美味そうにむしゃぶりつくイチマツ。

 

ほくそ笑むクロ。

 

 

【見開き6】

明くる日の朝、グループの面々を前に
(この中には、マゴロクたちの顔も
ちらほら見える。)
ナイフは次のように語る。

 

わしの かんろくを しめすためには

こちらから けんかを しかけては 

ダメだ。

うられた けんかを かうのじゃ。

あいてが そのきに なるよう

わざと おやまをはなれ いったん

えどやまに うつる。 よいな!

 

は!

 

と平伏するグループの面々。

 

次々と〈おやま〉を下り
一本橋を渡って遠ざかっていく。

一本橋

 

【見開き7】

ナイフが いなくなったのを さいわいに

ファミリーは ヒロを かしらに すえ

〈おやま〉を せんりょう しました。

 

 

はたはたと翻る桃太郎旗。よく見ると
千成瓢箪の下手くそな絵が描いてある。
どうやらヒロの作品らしい。

 

さかんに絵を描いているヒロ。
今取り掛かっている作品は・・
腹の突き出たナイフの似顔絵?
瓢箪よりは数段の出来映え。

 

おじょうず、おじょうず!

 

目を細めて見守るジブ。

 

そこへギョウブ(大谷)が
慌てた様子でやって来る。
ギョウブは数少ないジブの親友である。

 

ジブ どうやら ナイフは

えどやまに いるらしいね。

しかし こまったことに

ぶちょう れんちゅうを 8にんも

つれてっちゃった!

 

ふ~ん。

で のこっているのは・・・?

 

え~と・・・

真剣な顔で、頭数を数え始めるギョウブ。

 

 

【見開き8】

大勢集まった面々を前に力が入るジブ。

 

おやまは この ヒロさまの もの。

ナイフなどに わたして なるものか!

 

そうよ、そうよ!

 

面々から大きな賛同の声があがり
そうして次の瞬間―

 

おやまの まわりに あつまった

サルたちが いっせいに なきごえを

あげはじめました。

いよいよ がっせんが はじまります。

 

 

【見開き9】

〈おやま〉の騒ぎを遠くから聞きつける
えどやまのサルたち。
クロはナイフに向かってこう言います。

 

そろそろ うられた けんかを

かいにいくと いたしましょう。

さいくは りゅうりゅうに

ございます。

 

うむ!

 

と頷くナイフ。

 

とんだ さるしばい じゃわい!

 

 

【見開き10

「なかせてみしょうホトトギス」
などと大書されたのぼり旗が
風にあおられ、大きくゆれている。

 

おやまを まもる ファミリー

そのかず 700

おやまをかこむ グループ

そのかず 500

 

りょうしゃ みあって まったなし!

 

ぷ ぷ ぷ ぽーん。

 

あさ しちじの じほうを あいずに

にらめっこ がっせんの 

はじまり はじまり~。

 

このしょうぶ あいてより すこしでも

こわいかおを したほうが かち!

見合って見合って

それ あっ ぷ ぷ~!

 

 

【見開き11

あれ あれ 

いったい どうしたことでしょう?

 

ファミリーの なかまの 5ぶんの1が 

みなみやまに のぼったきり

しらんぷりを しています。

 

まつのきに のぼった れんちゅうは

どこで てにいれた ものか

もぐもぐ バナナを ほおばるしまつ。

 

それでも かずにまさる ファミリーの

けっそくは かたく あいてを 

つぎつぎ まかして いきます。

 

 

【見開き12

とそのときです。
バナナを食べ終えた松の木組の連中が
突然木から降りて〈おやま〉にのぼり
超おもしろい顔をしたものですから

超おもしろい猿

ここまで奮戦してきたファミリーも
たまったものではありません。

 

わっはっはっはっは~。

わっはっはっはっは~。

笑う猿

はらを かかえて わらいだすものが

どんどん どんどん どんどん ふえて

こうなると もう

がっせん どころでは ありません。

 

しょうぶは あっというまに 

ついて しまいました。

 

 

【見開き13】

まけたものは だまって たちサル!

という おきてに したがい

ファミリーの なかまたちは なくなく

おやまを はなれて いきました。

                

最後まで残っていたジブも
ヒロを背負うと
しょんぼり〈おやま〉を降りていく

 

そんな様子を嬉しそうにながめている
ナイフとそのグループ。

 

ところが しょうぶに かった はずの 

グループの なかから おもいもよらない

つぶやきが きこえてきました。

 

なんだか おれ かわいそうに 

なってきた・・・

 

ほかに やりかたは なかったのかな?

 

なんて・・・。

 

 

【見開き14

その声を聞きつけ
あせったのはナイフです。
ナイフは、突然ダッシュをすると
あっという間に〈おやま〉に上がり
両手を広げて、こう叫びました。

 

おやまの たいしょう おれ ひとり!

 

そんな姿を
ぽかんと見上げていたイチマツは
猛然と〈おやま〉によじ登ると
あっという間にナイフを追い落として
しまいました。

 

ちがうよ ちがう!

おれは こんなことのために

みかたを したわけでは ないよ!

 

 

【見開き15

イチマツを中心に
〈おやま〉を打ち壊している面々。
マゴロク、サンザ、ヒョウブなどの顔も
見えている。

岩をころがし、石を剥ぎ
泥をかき出して、地ならしをしている。

 

おやま なんてものが あるから

みんな ここで バナナを 

たべたくなって しまうんだ。

はじめから こんなものは 

ないほうが いいにきまっている。

 

イチマツの言葉に頷く面々。

 

 

真っ平らになった〈元おやま〉で
楽しそうに遊ぶ子猿たち。
それを母猿たちが
やさしい目で見守っている。

 

 

【後付】

バナナを食べまくっているナイフ。
読者に向かって一言。

たぬき

わしゃ あきらめんぞ!

こうなれば 

なくまでまとう なんとやらじゃ! 

へ! いそぐべからず。

 

歴史の再録は意外とおもしろい!

日本三大合戦の一つに数えられる
天下分け目の「関ヶ原の戦い」。

 

この歴史絵巻に登場する兵どもは
主だったものたちだけでも
優に百人は超えるでしょう。

 

実際の戦いは
ほんの半日ほどで終わってしまいましたが
そこへ至るプロセスには
複雑怪奇なものがあります。

 

今回はその複雑怪奇な物語を再録し
絵本のストーリーにクリエイトするという
なんとも無謀な試みに
チャレンジしてみたわけです。

 

書き足さなけれならない歴的的な事柄は
ほかにも多々ありましたが
絵本のストーリーということですから
諸々の誘惑は断念いたしました。

 

このチャレンジをとおして
ひとつ気がついたことがあります。

それは、歴史などからテーマを導く
「再録」(リライト)という手法は
意外と「ハンドルのあそび」が大きいなと
ということです。

歴史の見方・捉え方次第で
様々なピースを埋め込むことが
可能になるでしょう。

 

オリジナルストーリーに汲々としている
あなた!

この「再録」という手法を通して
オリジナリティを表現するのも
ひとつの手ではないかと思います。

 

こんど1回
チャレンジしてみてください。

タイトルとURLをコピーしました