書店の閉店ラッシュが止まらない!リアル絵本はどこへ行く?

書店ではなくWebで本を買うイメージ 絵本なんでもファイル
リアル絵本はどこで買う?

こんにちは、もりのひつじかいです。

2020年1月5日蔦屋書店塩尻店閉店

2月17日くまざわ書店上越店閉店

2月20日紀伊国屋書店

     横浜みなとみらい店閉店

2月22日三省堂書店岡山店閉店

2月29日ジュンク堂京都店閉店

4月17日TSUTAYA三宮店閉店

5月8日文教堂書店札幌すすきの店閉店

5月22日未来屋書店中野店閉店

5月23日旭屋書店京阪守口店閉店

6月16日自由書房全店閉店

7月31日丸善名古屋

   セントラルパーク店閉店(予定!)

 

書店の閉店ラッシュが
止まりません!

上の一覧はほんの一例です。

書店の相次ぐ閉店は
もう数年ほど前から始まっていましたが
最近では、大手チェーン店といえども
こうした「閉店ドミノ」
「閉店ラッシュ」から逃れる術は
ないようです。

町の中から書店が消えるということは
どういうことなのか
どのような影響が考えられるのか
今回は
絵本のクリエーターを志すひつじかいの
超個人的な視点から
検証してみたいと思います。

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本離れは何年も前から進行していた?

ウインドーにclosedの表示

数字が苦手というあなたには恐縮ですが
2018年のオール図書推定販売金額は
1兆2,900億円とのことだそうです。
(出版科学研究所㈱の算出データから)

この数字だけを見れば、なかなかのもの
ではないかと思われるかもしれませんが
過去最高の売上高を記録した1996年の
なんと半分にも満たない金額!
なんだとか・・・。

 

本離れは

20年かけて

ひたひたと

進んでいたことになります。

 

その理由は―

国民全体が本を読まなくなった。
本そのものを買わなくなった。
買っても手元に置かなくなった。
中古本で済ますようになった。
そもそも書店に足を運ばなくなった。
書店が消えてその傾向に拍車がかかった。
電子書籍に切り替えた。

いくつも見つかりそうです。

とある書店の入り口あたり

このように
次々と書店が撤退してしまうことで
その地域の文化度? みたいなものが
衰退してしまうのではないかと
ひつじかいはハラハラしています。

「Amazonがあるからいいや」
という人は多いかもしれませんが
書店の撤退・閉店ラッシュは
わたしたちの文化生活に
どのようなマイナス効果を
もたらすことになるのでしょうか。

最も身近なところで
ひつじかい自身をモデルケースに
シミュレートしてみましょう。

絵本文化にとっても大きな減速

絵本づくりを志すひつじかいにとり
書店の閉店ラッシュによって
リアル店舗が激減するということは

イコール

絵本を置いてもらえる書棚が激減する
ということにほかなりません。

これから売り出そうという絵本は
ターゲットに想定している子どもたちや
そのお母さん方にー

書店で絵本を選んでいる母子

まずは「手に取って」もらい
「表紙を見て」もらい
「ページを開いて」もらって
〈なんぼのせかい〉の書籍です。

当然のことながら

気に入ったらその場で「買って!」もらい
自分の「手元に置いて」もらって
「何度でも」読んでもらい
ときには枕なんかにでもしてもらって
なれ親しんでもらわなければなりません。

絵本にとって
こういう一連の流れの最初の砦である
「売り込みの場」が
激減してしまうということは
痛手以外の何ものでもないでしょう。

リアル店舗に担ってもらってきた
このような販売促進のための仕組みを
これから
どんなふうに作り直していけばいいのか
ひつじかいはもとより
若きクリエーター(絵本作家)
一人ひとりに投げられた
大きな課題だと思います。

注:ひつじかいはもう若くはありませんが
一応新人ということで
ここに含めてくださいね。(汗!)

失われる「未知との遭遇」

書店の撤退・閉店ラッシュにより
失われるものといえば
未知なる書籍との“接近遭遇”の消滅を
挙げることができますね。

町の書店を訪れる大きな楽しみのひとつは
自分の知らないジャンルの本を
“発掘”することにあるといっても
いいでしょう。

入り口を入ってすぐのところに
平積みされている新刊本の山。
これは!
という本を素早くチェック。

そのあと雑誌コーナーを覗き
最新の耳寄り情報を集めます。

そうして

読めもしないくせに
洋書コーナーを軽く冷やかし
おもむろに文学コーナーへと移動。

今を生きるための現代詩表紙

すると
難解な現代詩になんとか齧りつきたい
と思っているひつじかいの目に
こんな文言が飛び込んできます―

はじめての人も
どこかではぐれた人も

詩を読むって
そういうこと
だったのか!

詩人が明かす
至福の味わい方

渡邊十絲子(わたなべとしこ)著
『今を生きるための現代詩』
(講談社現代新書・帯から抜粋)

え?
こんなところで、寄り道なんかしていて
どうして真っ直ぐ
絵本コーナーへ行かないのかって?

あはは!

そういうあなただって
大好きなお菓子は
最後までとっておくでしょう?

こうやって
未知との遭遇を繰り返しながら
じわりじわりと近づいていくんです。

(うひょ~、わくわくするなあ!)

ラー文書表紙

精神世界
特にスピリチュアル系の棚は
時間をかけてリサーチ。
このとき『ラー文書・第二巻』
(ナチュラルスピリット)
が出版されていることを発見!

迷わず買い物かごへ!

お次は哲学コーナー。

哲学書『わかりやすいはわかりにくい?』

なになに
『わかりやすいはわかりにくい?』
臨床哲学講座
(鷲田清一著/ちくま新書)

ひとはなぜ、自由が拡大したのに不自由を感じ、豊かな社会になってかえって貧しさを感じるのか・・・

これって、ひつじかいが
ひごろ考えていることじゃないか!
そうか臨床哲学って
生活に密着した哲学のことなんだ。

あ、しかも10年も前に発行されている!
知らなかったなあ・・。

日本史に興味のあるひつじかいは
歴史コーナーの前も素通りはできません。
ぐうぜん実家の庭から縄文土器の破片が
無数に出土するとあって

『縄文時代の歴史』表紙

『縄文時代の歴史』
(山田康弘著/講談社現代新書)
を思わずに手に・・

1万年以上続いた
世界史上ユニークな文化「縄文」とは?
「縄文」のすべてがわかる!

これは買わないわけにはいきませんよね。


サイエンスの棚でも足が止まってしまう
ひつじかい。

サイエンス『不自然な宇宙』表紙

『不自然な宇宙』
宇宙はひとつだけなのか?
(須藤靖著/講談社ブルーバックス)

この宇宙は
不自然なほどよくできている
その謎を解く鍵は
「マルチバース」(多数の宇宙)だった。

あ~あ、見なかったことにできないなあ。
多数の宇宙なんて言われちゃうと・・。


やれやれ
やっとお目当ての絵本コーナーです。
ここへ到着するまでに
すでに2時間半! 経過・・・

でも「疲れた」なんて言いませんよ。
おなじみの絵本はさらりと流し
新人の作品を中心に入念にチェック!

しかし最近は残念なことに
ラップがかかっていて
扉が開かない絵本がゾロゾロ・・

くやしいけれどもしょうがない。
表紙&裏表紙を穴のあくほどながめて
想像をめちゃくちゃたくましくして
本の中身を透視します!

(てなことできるわけないでしょう。)

・・・・・・

書店がなくなってしまうと
こういう「未知との接近遭遇」の機会も
失われてしまうのです。

職場まで届けて集金もしてくれたっけ

書店のサービに
職場まで本を届けてくれて
集金もしてくれるというのがあります。

毎月1冊ずつの発行とか
隔月に1冊刊行される全集ものとか
不定期刊行のシリーズものなど
この手のサービスに
何回もフォローしてもらいました。

 ひつじかいさん

 ロラン・バルトの続き、ようやく出たけど

 どうする?

なんて・・。

もしも本屋さんに頼んでおかなければ
「歯の欠けた櫛」的な全集が何セットも
できてしまったかもしれません。

あとは定期購読の雑誌でしょうか。

ニュースキャスターとしても知られた
故筑紫哲也さんが
編集長を務めたこともあった
『朝日ジャーナル』なんていう
伝説的雑誌も書店から届きましたね。

編集長がほかのひとに交代した途端に
つまらなくなったので
定期購読は中止してしまいましたが
この雑誌のバックナンバーは
今でも手元に残っています。

(オークションサイトでは
 結構いい値がついているみたいですよ。
 売る気はないけど!)

本や雑誌を届けてくれた
外販部の店員さんたちとのやりとりも
忘れられない思い出です。

書店がなくなってしまうと
こんなサービスも消滅してしまうのです。

ほかにも地域情報の発信とか・・・

書店に並ぶ様々な本

町の書店には、その地域ならではの書籍が
店の隅っこの方に並んでいますよね。
その一部は図書館でも閲覧できますが
手元に置いておきたいということになると
書店に足を運ぶことになるわけです。

たとえば・・・

地元出身の戦国武将の関連本などがあると
ひつじかいの場合でしたら
必ず手に取っちゃいますね。
後は長州藩にピストルの存在を伝えた
幕末の志士の関係とか。
(ちょっと物騒!)

ほかにも町の書店は
様々な文化情報を発信してくれる
ステーションのような場所でもあります。

ときには
地元で活動している
若きクリエーターたちの作品が
展示されたりもしています。

もちろん
絵本の原画展をやってくれる書店も
ありますよね。

本を介したゆるやかなコミュニティが
つくられていたんです。

しかし、そういう空間も
なくなっていきます・・・。

絵本は書店で買って欲しいけど・・・

こんなにもユニークな本たちが
ラインナップしているというのに
書店の閉店ラッシュは止まりません!

リアル本を手に取り
中身を確認してから購入する
というスタイルは
もはや過去のものなのでしょうか?

中古市場には10円本とか
1円本まで出回っている昨今
わざわざ中身を確認しなくても
財布には全然響かない
ということなのでしょうか?

それでもと
ひつじかいは思います。
せめて絵本くらいは
書店で購入して欲しいなと・・。

できればおニューで・・。


あの子には

その絵本を何度も何度も手に取り

ときには破いてしまったり

よだれをたらしたり

ミルクのしみをつけたりしながら

絵本とともに成長しいって欲しいから。


「マイ絵本」であれば
誰に気兼ねをすることもないでしょう?

絵本を卒業してしまっても
その絵本はいつか
あの子の思い出になるはずだから・・・

 

そういうあなたの近所には
まだ書店がありますか?
閉店ラッシュの波に
呑み込まれてはいませんか?

そうですか、あるんですね!
それは幸運です!


書店の閉店ラッシュに負けないように
たまにはのぞいてあげてください。
きっと何か
新しい出会いがあるはずですから。

 

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