こんにちは、もりのひつじかいです。
赤ちゃん向けの絵本
『いないいないばあ』
(松谷みよ子・文/瀬川康男・絵/
童心社/1967)
が
2020年11月24日付で
累計発行部数700万部を突破し
701万部(339刷)となったそうです。
700万部という冊数にも驚きますが
339刷(339回の増し刷り)というのも
なんともおそろしい数字であります。
絵本もここまでくれば
これはもはや絵本ではなくて
「おばけ」ですね。
「この絵本の内容は?」なんて
わざわざ検索される人もいますが
内容といっても
いろいろな動物が登場してきて
「いないいないばあ」と
やっているだけですので・・
ただ、それだけなのに
いいものをつくれば
半世紀以上にわたって売れ続けるという
まさにお手本のような事例ですね。
ところで、こんなに
よいことずくめの絵本なのですが
一部のお母様方から
「動物の絵が怖い」
「赤ちゃんが笑わない」
などというコメントが寄せられています。
これはいったい
どういうことなのでしょうか?
赤ちゃんが笑わないのは
本当に絵が怖いからなのでしょうか?
ほかにも何か理由があるのでしょうか?
『いないいないばあ』の700万部突破に
かこつけて
今日はこんな話題に
ちゃっかりのっかってみたいと思います。
すべての人は笑う前におどろいているんだって!
『いないいないばあ』の増刷が
話題になっているちょうどそのころ
ひつじかいはある方からすすめられて
こんな本を読んでいました。
それは-
『表現の技術』
髙崎卓馬・著/中央公論新社/2018
という、映像や脚本づくりの
クリエイターに向けて書かれた
一種のハウツー本です。
著者の髙崎卓馬さんという人は
数々のヒットCMで知られる
広告クリエイティブの第一人者ですね。
そのスペシャリストが
こんなことを書いています。
感情を動かすために絶対必用な要素、それは「オドロキ」です。
すべての人は笑う前に必ず驚いているのです。(中略)
いきなりゼロから笑う人間はいないのです。
『表現の技術』26ページから抜粋
「すべての人」ということですから
赤ちゃんにも当てはまること
なんだろうと思います。
つまり赤ちゃんは-
絵本の読み聞かせの
「いないいない~」で注意を惹かれ
「ばあ!」で、わっとおどろいて
そのおどろきに対して
パット笑いがこみあげる
という流れで
「いないいないばあ」を笑っている
ということになるわけです。
まあ、分析すればこういうことですが
これは当然、一瞬の間に起こっています。
ところが「ある赤ちゃん」は
「ばあ!」とやっても
笑わないというわけですよね。
何度読み聞かせても
笑わないということなんですよね。
でもそのお子さんだって
ママの「いないいないばあ」には
ちゃんと反応しているんですよ。
絵本の「いないいないばあ」に
反応しないというだけで・・。
これはどういうことかというと
その赤ちゃんは
読み聞かせの「ばあ!」では
「オドロキ」がないということなんです。
「動物の絵が怖い」のなら
泣き出しているはずですから
そうではなくて
ただおどろいていないだけ
ということがわかります。
「いないいないばあ」なんてパパがやったっていいじゃない
「ばあ!」で笑わない赤ちゃんに
読み聞かせの強要はNGでしょうね。
それこそ
「動物の絵が怖い」
「いないいないばあが怖い」
「絵本を読んでるママが怖い」
なんてことになりかねません。
そういう場合は
『いないいないばあ』は一旦しまって
違う絵本を探しましょう。
『モイモイとキーリー』
とかね・・・
もう少し大きくなったら
『きゅっきゅっきゅっ』とか
『くつくつあるけ』など
わが家の子どもたちも
読み聞かせるたびに感動していましたよ。
「いないいないばあ」なんて
パパがやってあげたっていいのだ
というくらいの気持ちで
対応したらいかがでしょうか。
700万部も売れている絵本だから
といって
義理立てする必要は全くありません!
そのうちに
絵本の「オドロキ」がわかってきたら
そのときこそ
『いないいないばあ』の出番です。
読み聞かせの楽しさを
たっぷり味あわせてあげましょうね。
こちらの記事も、いかがですか?
【赤ちゃんと一緒に作った絵本があるってご存知でしたか?】
📑モイモイ&キーリーだって?赤ちゃんが絵本を選ぶとこうなる!