こんにちは、もりのひつじかいです。
絵本を出版するところまでは
ひつじかいも
リアルにイメージできていましたが
絵本は出版してからが本番!
ということを
このごろつくづく感じています。
そんな折り
出版社からの「おさそい」もあり
再度全国紙に
ひつじかいの初めての絵本
『もりのしょうぼうだん』の書影を
掲載してみることにしました。
今回は、そうした一連の経緯を
レポートしてみたいと思います。
「これで少しは書店からの〈返本〉が抑制されると思いますよ。」
絵本出版社の企画部から
そんなオファーが届いたのは
2021年3月も末のこと。
返本か…
正直なところひつじかいは
「返本」などということについて
まったく気が回っていませんでした。
出版業界全体では
やく4割の出版物が返本されている
という現状がありますから
絵本もその例外ではないのでしょう。
自信をもって作品を世に問うてみても
売れなければ返本される
という厳然たる事実は
資本経済の暗黙の了解事項ですね。
ひつじかいには
多少なりとも販促に貢献したい
という切実な思いがありましたので
この「おさそい」を
二つ返事でお受けすることにしました。
書影が掲載された紙面はこんな感じ
広告の詳細は次のとおりです。
☆掲載紙
2021年4月2日付「朝日新聞」朝刊4面
☆掲載内容
みらいパブリッシングが主催する
第7回絵本出版賞作品募集のための
「あたらしい絵本ができました!」
囲み広告内に掲載。
☆書影掲載料
19,800円(税込み)
書店からの返本の抑制効果については
実態を知るのは難しいわけですが
新聞掲載の翌日には
Amazonの売上ランキングが上昇し
カスタマーレビューに好意的な一票が
投じられていましたので
一応の効果はあったものと考えられます。
絵本の出版は過当競争?
絵本というジャンルは
特に新人には「狭き門」だというお話しは
前に書きましたので
興味のある人はそちらをお読みください。
→もりのひつじかい「絵本作家になるための狭き門」について考える
この記事で言っていることは
いわゆる「売れる絵本」というのは
ほとんどが古参作家(ステータス)のもの
ということです。
一説には、売上高のやく9割を
これらステータスの作品群が占めている
ともいわれています。
単純に引き算をしても
「新人作家の割当は1割!」
ということになるわけです。
この記事では特に触れていませんが
絵本というジャンルが
新人にとって「狭き門」だと考えられる
もう一つの理由が
「過当競争」ということだと思います
データとしては少し古くて
3年前のもの(2018年)となりますが
いったいどれくらいの絵本が
1年間に出版されているのか
調べてみました。
*児童書新刊:4,721点
・内絵本:42%(1,982点)
・内児童書読み物:24%(1,133点)
・内学習漫画:4%(188点)
・内図鑑:2%(94点)
※出典:公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所「出版月報2019年9月号」
いかがでしょうか?
これらのデータから見えてくることは
児童に関わる出版物の大半を
絵本が占めているということですね。
この数字を日別に置き替えると
1日に5.4点(冊)の絵本が
出版されていることになります。
絵本を出版してから1ヶ月
ただぼーっとしていると、その間に
新しい絵本が160点も誕生している
という、そんな勘定です。
ひつじかいが
『もりのしょうぼうだん』を刊行してから
すでに半年が経過していますので
991点もの新刊絵本が陸続と出版された
ということになりますね。
絵本の新人作家というのは
こんな状況の中で
絵本を出版しているのです。
ですから
書店からの返本を少しでも少なくしたい
という思いは、切実なのです。
広告を効果的に使うことで
書店からの返本を抑制できるのならば
これを使わない手はないのでしょうね。
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