ひつじかいの最初の絵本は〈動物の消防士たち〉が活躍する物語!

山火事だ! 絵本づくりABC
やまかじ、はっせい!

こんにちは、もりのひつじかいです。

今回は
ひつじかいの最初の絵本&出版に関し
あれこれ
お話しをさせていただこうと思います。

以前アップした

絵本にも印税の相場はあるの?~

という記事の中で
出版は2020年11月上旬頃になりそうと
お伝えしていましたが
今回イラストを担当してくださった
画家の宮島美穂子さんが
鋭意取り組みを進めてくださったことで
ひと月近くも早まりまして
10月8日初版発行と決定しました。

実際に製本されるまでは

不安の方が大きいわけですが

自分のオリジナルストーリー(世界観)が

手に取れる1冊の本になるというのは

なんだかとても不思議な感じがします。

 

ということで
今日は絵本の発行に先立ち
内容などの概要について
いろいろとお伝えしていきますね。

ネタバレ的な部分も包み隠さず
おしゃべりしちゃいますので
最後までよろしくおつきあいください。

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タイトルは『もりのしょうぼうだん』といいます!

ひつじかいの
絵本第一作となる作品のタイトルは
『もりのしょうぼうだん』といいます。

おそろしい山火事から
自分たちが暮らす森を守ろうとする
そんな、ひたむきな動物たちの
ファイティング・ストーリーです。

このお話しの原案は、前に

『やまかじとんとん』というタイトルで

公開させていただいた
オリジナルストーリーにあります。

森林火災

『やまかじとんとん』では
山火事からひたすら逃げ回っていた
とっても臆病な動物たちが

この絵本では

自分たちで消防団を立ち上げ
消火活動に当たるという
当初とは真逆の展開となっています。

もりの動物たちが
にわか仕立ての消防士となって
窮地を脱するというあらすじです。

消防士といっても
そこはあくまでも
消防団の団員ということですから
職業として消防活動を行っている
というわけではありません。

ちなみに全国の消防団員の身分は
非常勤特別職の地方公務員という
非常に堅苦しい肩書がつくわけですが
もりのしょうぼうだんの動物たちは
もちろん

無償のボランティア

ということになるでしょうね。

 

『やまかじとんとん』を
新しいストーリーに組み立て直してから
かれこれ7回ほど書き直しています。
書き直して、書き直して
ようやく編集長のオーケーが出ました。

何回も書き直しているうちに
なんだか少し
ストーリーの書き方が分かってきたような
そんな気がしてきました。

考えてみれば
ひつじかいが取り組んでいる
このジャンルは、改めて述べるまでもなく
〈絵本〉と呼ばれているわけですから

「もっと絵に寄りかかってもいいかな」

という感触が
なんとなくつかめたような心持ちです。

残念ながら、今はまだ
編集部の確認が取れていませんので
イラストをお見せすることはできません。

そこで、本当にお恥ずかしくて
顔から火が出る思いですが
ひつじかいの
拙い絵コンテを2、3枚添付しますので
今日のところはそれでご勘弁ください。

ではその前に、絵本の奥付などを
整理しておきたいと思います。

タイトル:もりのしょうぼうだん

オーサー:もりのひつじかい・さく
     みやじまみほこ・え

ページ数:32ページ(見開き15カット)

判型:B5版

出版:2020年10月8日 初版第1刷

発行人:松崎義行

発行:みらいパブリッシング
   企画協力・Jディスカバー
   編集・谷郁雄
   ブックデザイン・堀川さゆり

発売:星雲社

印刷・製本:中央精版印刷

その他:※非営利使用許諾済

※非営利使用というのは
非営利目的の
「朗読」「読み聞かせ」「SNS投稿」
などに使用することを言いまして
それについては出版社と著者の双方が
前もって承諾しているということです。

ただし事前のご連絡と事後報告は
必要になります。(念のため。)

『もりのしょうぼうだん』のあらまし

すみません!
ここまで引っ張るつもりは
なかったんですけど・・。

では、遅れ馳せながら
物語のスクリプト(あらすじ)を
お話しさせていただきます。

木のアイコンスクリプト『もりのしょうぼうだん』

ある森に、小池(こいけ)
と呼ばれる小さな池がありました。
その池のちかくに
「おにぎりやま」という
三角のおにぎりみたいな山がありまして
いろいろな動物たちが
楽しくなかよく暮らしていました。

でも
去年の春に山火事が発生し
大切な森の一部が焼けてしまったのです。
「まちのしょうぼうだん」の助けもあり
大事に至らずにすみましたが
春先は特に心配がつのります。

そこで今年は、くまのマー君の発案で
おにぎりやまの森に暮らす動物たちで
しょうぼうだんを作ることになりました。

マー君の提案に賛同する動物たちが
三々五々集まりました。
なかでも熱心だったのが小鳥と野ねずみ。
もちろん
たぬきのタンタも意気込んでいます。

少しおくれて
きつねのコンタもやって来ましたが
どこか様子が変です。
コンタはまちのしょうぼうだんに
入ると言うのです。
もりのしょうぼうだんには道具もないし
小鳥や野ねずみが中心では
火事なんて消せやしないと言い放ちます。

その言葉に傷つく森の動物たち。

そんなある日
とうとう怖れていた事態がおきました。
山火事が発生したのです。
もりのしょうぼうだんに
初めての出動がかかります。

山火事の発生を知らせるカラス

同じころ
まちのしょうぼうだんも山火事を確認。
昨年と同様ただちに消火に向かいました。

小池に着いたまちのしょうぼうだんは
持ち込んだ3台の小型動力ポンプを
手際よく連結していきます。
要領を得ないもりのしょうぼうだんは
かえって足手まといとなるばかり。

すると
燃え盛るおにぎり山を見上げて
あなぐまの母さんが叫んでいます。
あの火の中に
まだわが子がいるというのです。

ぼうやを心配するあなぐま母さん

まちのしょうぼうだんの一員として
出動していたコンタが
ジェットシューター(背負式の水のう)を
担いで
果敢に森の中へと踏み込みます。
タンタも急いで後を追います。

このとき、どこからともなく現れた
野ねずみのチュータが
道案内を買って出るのです。

チュータの的確な案内がさいわいし
無事にあなぐまの坊やを救出。
しかし火の回りが早く
チュータは懸命に迂回路を探します。

枯れた大木が突然倒れてきて
彼らの行く手をふさぎます。

木が倒れてきた!あぶない

絶体絶命というそのタイミングで
雨が降り始めました。
雨は次第に強さを増していきます。

天を仰いでいたチュータが叫びました。
これは
小鳥たちが降らせている雨だと・・・。

何百何千という小鳥たちが
果敢に小池にダイビングし
その羽根についたしずくを
本物の雨のように降らせているのでした。

雨を降らせているのは小鳥さんだ!

どれくらいの時間がたったのでしょうか。
気がつくと
いつしか山火事は消えていたのでした。

あなぐまの坊やを抱え無事に山を下った
コンタとタンタとチュータ。
コンタは森の動物たちに向かい
かつての暴言を謝罪します。
さらに
命を救ってくれたことに感謝を述べます。

すると
あなぐまの母さんがコンタを抱きしめ
コンタの勇気ある行動に
深い感謝の気持ちを伝えるのでした。

もりのしょうぼうだんと
まちのしょうぼうだん
ふたつのしょうぼうだんは
お互いの長所を認め合い
これからは一致団結して
もっともっと
強く立派なしょうぼうだんになろうと
誓い合うのでした。

『やまかじとんとん』と『もりのしょうぼうだん』の間にあるもの

『やまかじとんとん』と
『もりのしょうぼうだん』の間には
とても大きな渓谷が横たわっていると
ひつじかいは感じています。

それはおそらくは、ひつじかいの

信念が作り上げたものではないかと

今なら冷静に分析することができます。

どういうことかといいますと
『やまかじとんとん』を書いていた時の
ひつじかいには、いくつもの
ネガティブな信念があったのです。

「動物たちが火に立ち向かうなんて
 現実的にはあり得ない!」

「それでもやむを得ず
 立ち向かうことに
なったとしても
 よくある〈動物消防士〉的なノリで
 描き切るのは無理!」

「リアルなお話しを目指しているのに
 そもそも動物たちが消防の道具を
 使いこなすなんて、不自然!」

とまあ
ネガティブな信念のオンパレードです。

これだけ「古い信念」を抱え込んでいたんじゃ

面白いお話しなんて

書けるわけがないですよね!

先ほど7回くらいは書き直したと
お伝えしましたが
ひつじかいがその間何をしていたのかと
いいますと・・

こうした古い信念
(新しいお話しを紡ぐためには
不要ともいえる信念)を
ひとつひとつ手放していたのです。

風船(信念)を手放す

情けない話しですが
絵本に出てくる「動物の世界」というのは
「人間社会を仮託したもの」という
大前提のルールが胸に落ちたのは
森の動物たちに
消防団のヘルメットを被せた時でした。

その姿をひとり想像して、はじめて
古い信念を解き放つことができたのです。

こんなプロセスを経て
『やまかじとんとん』は
『もりのしょうぼうだん』へと
生まれ変わったのでした。

 

編集部の確認が取れ次第
絵本のイラストや本文を
おいおい
アップしていきたいと考えています。

絵本のストーリーライターを目指す
そんなあなたには
ぜひお読みいただければと思います。

 

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