こんにちは、もりのひつじかいです。
昨日ひつじかいは
〈出版企画書〉の書き方を学ぶために
出版エージェント社主催の
1Dayセミナーなるものに参加しました。
その概要をレポートしようと思いますが
少し長くなりそうなので
前後2回に分けてお伝えいたします。
「いつか出版を」と考えている
あなたには
役立つ情報だと思いますよ。
「本」を出版するというのはとても魅力的なこと?
当日の参加者はひつじかいを入れて7名。
冒頭でおきまりの自己紹介があり
参加者のうちの4名が
企業またはシンクタンクの代表
であるかことが判明。
そしてさらに驚くべきことに
7名中3名が
既に書籍を出版した経験をお持ちの方々
だったのです!
少ない方で2冊
某社の社長さん(男性)が5冊で
某社の社長さん(女性)はなんと
10冊もの本を出されていらっしゃる
のだとか。
え?
なぜそんな方たちが
ここへ?
正直なところ
びっくりました
ひつじかいは・・
だって
複数回本を出されているわけですから
「出版企画書」だって
それなりに提出されてきたはずです。
それなのに
なぜだろうって・・
事情をお聞きしてみると
「なるほど」と合点がいく理由が
それぞれにおありだったんですね。
ある方は
「もっと、売れる本が書きたいから」
また、ある方は
「新たに立ち上げたビジネスに関する
著作をものしたいから」
そして
「これまでは出版社の依頼で
書き下ろしてきたが
今度は自分が書きたいものを書いて
出版したいから」
など・・・。
なるほど
それでこうして
勉強をされていらっしゃるわけですね。
2冊出しても
5冊出しても
10冊出しても
それで終わりではないということですね。
いやはや
1冊目の絵本出版に汲々としている
ひつじかいにとりましては
まさに
「恐れ入りやした!」
の世界でありやした?
逆の視点から考えると-
(ひつじかいは、この逆の視点
というのがお気に入りなんですが・・)
本を出版するということは
「それほどに魅力がある」
ということなんだろうと思います。
早くその仲間入りをしたいものですね。
それにつけても驚くのは
そういう方たちが更なる高みをめざして
「スキルアップを図ろうとしている」
ということです。
経験と実績を有する方たちが
さらに磨きをかけようというのですから
これはなかなかに
たいへんな世界!ですよね。
さあ
気を取り直して座学だ・・
直ぐに「出版企画書の」作り方に
入るかと思いきや
ここで外堀を埋めるデスクワークに
話しが転じたのでありました。
「現在の出版事情を知らなければ
個々の戦略が立てられない」と
エージェントさんはおっしゃいます。
なるほど
確かにそのとおりですね。
では、出版にまつわる裏事情について
もう少しだけ聞き耳を立ててみましょう。
いま〈出版事情〉はどうなっているのか?
これまでも出版の概要については
五月雨式にお伝えしてきましたが
その道のスペシャリトのお話しを
整理してみました。
◇出版業界の売上規模は?
→直近のデータで年間1兆3千億円
※年々激しく目減りしているとのこと。
◇出版総点数は?
→年間82,000点
※このところほぼ横ばいとのこと。
注)売上が目減りしているのに横ばい
ということは・・
購入される1冊当たりの単価が
落ち込んでいるということか?
◇出版社の数は?
→約3,300社
※これもほぼ横ばい。
ほとんどが零細。
中には1人で立ち上げている会社も
あるのだとか。
その多くは東京に集中している。
◇書店の数は?
→現在12,000店
※いわゆる街の本屋さんが
急速に廃業に追い込まれている。
一方で
新たな試みも展開されている。
・「本」とホテルが合体!
・〈寝落ちできる本屋〉の開業。
・コンビニが本屋機能を拡充!
◇取次に支払う経費率は?
→約40%に達する。
※じつは出版社への支払いは
取次が行っているんだって。
(へー、知らなかった・・・。)
◇本屋さんからの返品率は?
→約40%とのこと。
※ということは、実売率は6割!か。
※本屋さんは
「ショウウインドウ」だそうです。
◇黒字対赤字は?
→黒字はたったの20%!
※ということは、残りは赤字!
※だから著者の販促への期待値が
高くなるわけだ。
◇商業出版に係る経費の内訳は?
→印刷費・人件費・流通経費・外注費・
営業費・広告宣伝費ほか。
※第一刷3,000部として
およそ300~500万円くらいかかる。
ここまでのデータをもとに
「営業出版」モデルの利益を
具体的に計算してみると・・。
*事例研究
1冊1,500円の絵本を
初版3,000部で発行したとして
その利益は・・?
1,500円✕0.6✕3,000部✕60%
=1,620,000円
経費が300~500万円かかりますから
仮に300万円の経費補填があった
とすれば
1,380,000円の赤字ということです。
このままでは大幅な赤字です。
これを解消するためには
どうすればいいのでしょうか?
経費率は動かせませんし
返品率をアップできればいいのですが
現状では難しそうですから
一冊当たりの単価を上げるか
初版の冊数を増やすしかありません。
でも
新人の場合は
「何冊売れるか分からない」
という状態ですので
いきなり初版から5,000部というのは
冒険ですね。
エージェントの社長さんに言わせると
ここから先は出版社の「さじ加減」
なのだそうです。
いずれにいたしましても
商業出版とはいえ
著者は「お客様ではいられない」
という裏事情が
具体的に分かった前編でありました。
後編ではいよいよ
「出版企画書」の書き方に
ふれていきます。
次回も必ずチェックしてくださいね。
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