こんにちは、もりのひつじかいです。
以前お伝えした記事
「絵本づくりのプロがいう〈子どものころの心持ち〉ってなんだろう?」
の中で
ひつじかいは
〈子どものころの心持ち〉を
実際に思い出してみる!
という実験を行いました。
これがなんだかとても面白かったので
どうせならその〈心持ち〉のまま
絵本のモチーフになりそうなエポックを
ピックアップしようと思い立ちました。
まだこの記事を
お読みになられていないというあなた!
→こちらからご確認くださいな。
ということで
今回もひつじかいは
この方法による絵本作り・アイデア探しに
トライしてみたいと思います。
あなたも
〈子どものころの心持ち〉に還っていただき
ご自身で試してくださいね。
そういえば
中島みゆきさんに『五才(いつつ)の頃』
なんていう歌がありますので
あれでも流しながらやれば
絵本作りが楽しくなるかもしれませんよ。
~宝物はいつも 掌(てのひら)のなか
居眠りをしながら 掌のなか~
と
みゆきさんも歌っています。
(※中島みゆき『五才の頃』より抜粋)
〈子どものころの心持ち〉の主要テーマは9つ!
モチーフの「骨」になりそうなテーマは
つるみゆきさんの『絵本つくりかた』
を参照させていただくことにします。
(※30ページの「テーマを選ぶ」から
アイデアを借用しています。)
つるみさんが掲げるテーマは
次の9つです。
◇友情
◇子どもの日常
◇季節・行事
◇家族
◇知識
◇言葉
◇人生
◇自然
◇しつけ
すぐに
モチーフが拾えそうなものもありますが
中には
かなり難しそうなものもありますね。
前回お正月に関する絵本を
紹介したばかりですので
その勢いをかって「季節・行事」に
取り組んでみることにしましょうか。
前回の記事は
→こちらからご確認いただけます。
さあ、それでは
〈子どものころの心持ち〉で
「わくわく」を探しに
出かけてみましょうか。
サブテーマが7つ並んでいますが
そこにはあまりこだわらず
思いつくままに書き出してみます。
*春夏秋冬
・電車に乗って
・デパートへ(目当ては屋上の遊園地)
・バスで母の実家へおでかけ
・あたらしい子猫がやって来た!
・一日川遊び
・初めて見る海に感動!
・秋のイナゴ取り
・お風呂焚きのお手伝い
・そりそり走る!
・かまくらの中でお餅を
・父と泥鰌(どじょう)取り
*お正月
・鮭を一尾にみかんを一箱
・父がつくるしめ飾り
*レシピ
・カレーライスの思い出
・わいわいかき氷
・ジュースづくりが楽しくて
・酸っぱいトマトにお砂糖を?
*クリスマス
・クリスマスケーキがやってきた
・クリスマスケーキが溶けちゃった
*ひな祭り
・幼なじみとお医者さんごっこ
*花火
・邪道な花火に心が動く
(へび花火・水爆・ロケット花火)
*誕生日
・お誕生日はいちごケーキとエトセトラ
・おじさんのお土産(バナナ&カルピス)
・大きな積み木で遊んで→けんか
・およばれ(母のお友だちの家へ)
ひつじかいは田舎育ちですから
ローカルなモチーフが散見します。
また、個人的な郷愁の念が
強すぎるものがあったりします。
そういう夾雑物を取り除くと
モチーフとして
今後の発展が見込めそうなものは-
「春夏秋冬」から4つ。
・電車に乗って
→5歳の子どもですから
電車でのお出かけはいつでも冒険です。
・デパートへ
→デパートはワンダーランド!ですね。
・バスで母の実家へおでかけ
→パパの都合が合わなかったのでしょう。
今日はバスでママの実家へ。
見るもの聞くもの全てが新鮮です。
・あたらしい子猫がやって来た!
→子猫をもらったんです。
はじめてやってきた猫との交流を
子どもの気持ちで描きます。
・お風呂焚きのお手伝い
→お風呂を焚いたことがある子どもって
どれくらいいるのでしょうか?
どんなふうに火を点けて
どんなふうに焚き上げるのか
うまく描ければ面白いモチーフですね。
ただ、時代設定が必要になるでしょう。
・そりそりすべる!
→冬の遊びといえば
やはり「そり」でしょうね。
そりを遊び尽くす絵本が描ければ・・
続いて「レシピ」から1つ。
・わいわいかき氷
→かき氷をつくる手動の器具を
買ってもらった兄弟の
かき氷がいっぱい!
の楽しい世界を描きます。
最期に「誕生日」から1つ。
・おじさんのお土産
→パパでもママでもない
おじさんからの「お土産」
というところがミソですね。
きっと
不思議なお土産だったのでしょうね。
などなど
こうやって書き出してみると
予想していた以上にネタが出てきました。
全部で8つもあります。
探してみればアイデアというのは
意外とあるものなんですね。
乗り物系はある程度予測が立ちましたが
「子ねこ」との
はじめてのふれあいですとか
「お風呂焚き」や
「かき氷」をつくる楽しさなど
いずれも季節のなかで感じていた
〈わくわく〉でしたね。
ひつじかいのとっての
まさに〈子どものころの心持ち〉
そのものです!
最期の「おじさんのお土産」
なんていうのも
うまくストーリー展開できれば
不思議な味わいを醸し出せるのでは
ないでしょうか。
次のコーナーでは
このなかから1つ選んで
実際にプロットを組み立てて
みたいと思います。
「子ねこ」とのふれあいをモチーフにしてみる!
ストーリー化してみたいモチーフは
いくつもありますが
今回は
「子ねこ」とのふれあいに関する物語を
プロット化して
ゆくゆくは絵本づくりに
つなげていければと思います。
さて
このプロットの
おおまかな絵本仕様は次のとおりです。
*タイトル:はじめまして
*ページ数:32ページ
*サイズ:A4版
【起】
□プロット1
・ぼくの足にまとわりつくネコ。
・ぼくの後をついてくるネコ。
いつまでもそばを離れない。
□プロット2
・窓を開けたら
突然どこかへ飛び出しちゃった。
□プロット3
・近所を探し回る家族
張り紙もしたけど見つからない。
【承】
□プロット4
・張り紙が半分ちぎれている。
それでもネコは見つからない。
□プロット5
・ぼくはなんだか元気がでない。
ぼんやり外をながめている。
□プロット6
・見かねたおばあちゃんが
子ネコをもらう算段をしてくれた。
【転】
□プロット7
・子ねこがぼくのうちにやってきた!
でも、思っていたよりも大きい。
□プロット8
・連れてきたおばさんが子ねこに
いろいろと話しかけている。
□プロット9
・おうちに帰りたいそぶりの子ねこ。
□プロット10
・そのことが気がかりなぼく。
□プロット11
・子ねこと目が合うぼく。
じっと見つめ合う・・・。
【結】
□プロット12
・家中を点検してまわる子ねこ。
・ぼくの部屋で「にゃ-」とないた!
□プロット13
・夕ご飯を食べる子ねこ。
□プロット14
・ぼくと一緒に眠る子ねこ。
□プロット15
・子ねこが心配でそっと目を開けるぼく。
・すやすやと眠る子ねこ。
ラフなプロットですが
こんな感じの物語に組み立ててみました。
「足にまとわりつくネコ」
「いつまでもそばを離れない」
「突然の行方不明」
は、いずれもひつじかいの実体験です。
また
「家中を点検して回る子ねこ」
というのもしかりですね。
ひつじかいはかれこれ
ネコと50年は暮らしていましたが
ネコは本当に不思議な生き物だと
つくづく思います。
そんな不思議なネコと少年との交流を
プロットに反映してみました。
〈子どものころの心持ち〉を
発展させてみたら
こんなかたちになったということですね。
物語を生み出す新たな手法を
見つけたような感じですね。
このプロットは
おいおいストーリーに仕立ててみたいと
思います。
完成したら
絵本のストーリーとして公開しますね。
そのときは
ぜひ
あなたにも
読んでほしいにゃあ。
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