こんにちは、もりのひつじかいです。
改定増補版『絵本をつくりたい人へ』
土井章史著(玄光社/2018年初版発行)
というハウツウ本をめくっていましたら
巻末に
「現場の編集者に聞く」
~わたしたちはこんな絵本をつくりたい~
というコーナーがありまして
そこに、各種出版社への「持ち込み情報」
が載っています。
ひつじかいはそもそも
絵本のストーリーしか書けませんので
原稿の「持ち込み」にはなじみませんが
まるまる絵本を創作されている人には
有益な情報ではないかなと思います。
とりあえず持ち込みOKな出版社は?
持ち込みというのは
かなり勇気が必要ですし
相当ハードルが高いといわれています。
少し前までは
直接窓口への持ち込みも可
というところが多かったのでしょうが
この本によると今は次の2社だけですね。
*くもん出版
*小学館
※ただし
「小学一年生」のミニ絵本付録のみ。
なんともさびしい限りです。
しかもこの2社、どちらかというと
絵本を主に出版している会社では
ありませんよね。
(小学館は、かつてはそうでしたが。)
こんな状況からも
持ち込みがいかに難しいかということが
お分かりいただけるかと思います。
でもご安心ください。
郵送可というところまで枠を広げると
10社以上がヒットします。
*福音館書店
*絵本館
*教育画劇
*学研プラス
*偕成社
*フレーベル館
*大日本図書
*ビリケン出版
*ポプラ社
*世界文化社
*ほるぷ出版
福音館書店、偕成社、フレーベル館
ポプラ社、ほるぷ出版など
絵本に関わりの深い出版社には
まだまだ門戸が開かれていることが
分かりますね。
いずれの出版社も
原稿は返却してくれませんので
副本を送ることが肝要ですが・・。
ただし
編集者のコメントを読むと
一応「郵送は可」となっておりますが
内容は「塩辛い」ですよ。
「お返事はさしあげますが
かなり時間をいただいています」
「発刊の可能性がある場合、もしくは
企画に合う場合のみ、ご連絡します」
「お返事は、お仕事をお願いしたいとき
のみとなります」
「持ち込みが発刊につながることは
正直なかなかありません。それでも・・
というやる気のある方は大歓迎です」
「近年、なかなか持ち込みから
作品になったものはありません」
これが
出版社の本音なんだろうと思います。
ところが、ただ1社だけー
うれしいコメントを発しているところが
あるんですよ。
『パンダ銭湯』『さる・るるる』
『いいから いいから』などを刊行し
いまとても勢いのある〈絵本館〉が
次のように言っています。
「持ち込みから出版につながったものは
『キリンですけど』
『ゴリララくんのコックさん』
『だるまなんだ』
など多くあります」
だそうです。
こんなコメントを読むと
「絵本館万歳!」
て叫び出したくなりますよね。
ひつじかいも
この出版社に対する評価が
ガラリと変わりました。
「持ち込み」を狙うとするならば
断然こちら!
という感じでしょうか。
ちなみに
絵本館の
代表取締役兼編集長の有川さんは
「終わりが想像できる予定調和型の話や
絵が文の説明になっている絵本には
心が動かない」
と言っています。
「省略と飛躍、そして何よりも
リズムを持った絵本をつくりたい」
とも。
〈絵本館〉への持ち込みを
敢行したいという、あなた!
よ~く覚えておいてください。
省略と飛躍
そして何よりもリズムですからね。
持ち込みの前に「企画書」ですか?
現在ひつじかいが
【絵本の出版に向けて】
アドバイスをもらっている
絵本出版社の担当者さん曰く―
「持ち込み」という効率の悪いトライに
貴重なエネルギーを注ぐよりも
まずは「しゃっきとした企画書」を
作成することを考えましょう。
出版社の方からオファーがくるような
そんな「企画書」を作り上げましょう。
だそうな。
既成作家の壁が
とてつもなく厚い絵本の出版業界。
そんな中にあって
極めて可能性の低い
「持ち込み」に賭けるよりも
優良な「企画書」を書き上げた方が
出版化の確立が高まるはずとの
現実志向型の発想ですね。
当たって砕けろ的な「持ち込み」を選ぶか
堅実な正攻法を選ぶか
最後は作者の判断に委ねるしかないのかな
と、絵を描かないひつじかいは思います。
でも
両方やったっていいわけですよね。
よりベターな「企画書」を練りつつ
〈絵本館〉に突撃したって
いいわけですよ。
さらには
ひつじかいのように
各種のコンテストに
懲りずに応募し続けても・・・
ある方から教わりました。
こつこつと発信を続けることが
とっても大事なんだということを。
本当に絵本作家を志向するのであれば
おおいに発信を続けましょう。
発信し続けていればきっと
「誰か」のもとに届くはずですから。
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