こんにちは、もりのひつじかいです。
今日は
絵本のスペシャリストといわれる
〈絵本専門士〉と
「絵本作家との関わり」について
考えてみたいと思います。
正直に申し上げます。
ひつじかいはつい先ごろまで
このような資格があることを
存じ上げませんでした。
この資格の概要が分かってから
すぐに
自分もチャレンジしてみたいなって
思ったんですね。
そこで詳しく調べてみたのですが
結論から先に言いますと
ひつじかいには
受講資格がありません!
でした。
(残念です・・・。)
子どもたちの
読書活動の充実化を図るために
考案されたという絵本専門士。
あなたも
関心ありませんか?
〈絵本専門士〉をフォローしました
ひつじかいは最近
ツイッターなるものを始めました。
しかし、これが存外難しく
始めてはみたものの
「最初に何をすればいいのか」が
分かりません。
そこで
初心者のためのハウツウ・サイトに
当たってみたんですね。
そうしたら
「とりあえず50人くらいの人を
フォローしてみましょう。」
とありました。
50人くらいの人をフォローして
その人たちが日頃
どんなことを「つぶやいている」のか
なんとなく観察すれば
ツイッターの世界というものが
「なんとなく見えてくる」というのです。
早い話しが
「見て慣れろ」ということですね。
そこで
趣味を同じくする参加者を見つけては
せっせとフォローをしていきました。
そうしたらあるとき
〈属性〉を検索する小窓に
ひょっこり顔を現したのが
〈絵本専門士〉という
キーワードだったというわけです。
ひつじかいはあわてて
(なにも、あわてる必要は
なかったわけですが・・・)
幾人かの絵本専門士さんを
フォローさせていただきました。
その人たちのプロフィールを拝見すると
保育士とか司書などをやられている方が
やはり多いなという印象でした。
しかし残念なことに
まだ絵本作家でもなんでもない属性(?)
のおじさんに
フォロー返しをしてくれる専門士さんは
皆無でしたね。(トホホ・・・。)
〈絵本専門士〉になるためには・・・
絵本専門士を養成するための制度は
6年前の2014年に創設されたばかり
ということです。
6年前といえば
ひつじかいが童話を書き始めたころ
ということになりますね。
これまでに
全国で280人の絵本専門士が
誕生しているそうです。
割り算をしてみますと
毎年、約50人くらいのひとが
絵本専門士になっているという勘定です。
けっこう狭き門だなと思って
養成講座の受講資格を確認して、納得。
なかなかハードルは高そうです。
「独立行政法人国立青少年教育振興機構」
という
たいへん長い名前の機関が
絵本専門士の養成を担っていますので
そちらの資料で確認してみますと-
求められるスキルは
次の4つに大別されます。
*子供や絵本に関連する資格を有する者
→ 先ほどもいいましたが
司書とか保育士などの資格保持者です。
もちろん、学校の先生もOK!
*絵本に関わる実務について
原則3年以上の経験を有する者
→ 上の資格保持者のほかに
絵本や児童文学の出版・販売や
編集の実務経験者が入ってきます。
実際に絵本を「作っている」人たちが
カバーされているというのは
とても良いことだと思います。
*絵本に関わる活動に携わり
原則3年以上の経験を有する者
→ ここには
絵本の読み語り(読み聞かせ)や
ワークショップ開催経験者が入ります。
図書館ボランティアや学校などで
読み語りの活動をされている市民にも
門戸が開かれているということです。
大いに評価できますね。
*絵本や児童文学・美術についての
研究実績を有する者
→ 大学などの研究者(院生を含む)が
これに該当します。
絵本の「絵」は「美術」という
カテゴリーに区分されますから
「美術」は重要な要素なんですね。
以上の4つのスキルが
受講の前提となっているわけですが
ひつじかいは
このうちのどれにも
引っかからないんですよ。
ところが
ひつじかいの妻は該当するんですね。
読み語りのボランティアを
かれこれ20年はやっていますので。
ちょっと、悔しいですね。(笑)
〈絵本専門士〉の具体的なお仕事とは?
さて、肝心の絵本専門士ですが
期待される役割としましては
次のようなことが想定されています。
・「読み聞かせ」や「お話し会」の開催
・実際に絵本を使って行う
「ワークショップ」などの取り組み
・絵本に関する豊富な知識をもって行う
「指導や助言」
・「自らのネットワークを活かした」
絵本に関する様々な啓発・啓蒙活動
その舞台も
保育園・幼稚園からはじまり
学校や各種福祉施設
図書館や公民館
医療機関まで幅広いステージでの
活躍が期待されています。
これはひつじかいの考えですが
〈絵本専門士〉というのは
絵本と子どもたちとを繋ぐ
コーディネイターであり
様々な企画のプロデューサーであり
市民により近い
アドバイザーでもあるのでしょうね。
「自らのネットワークを活かした」
というところにも
講座仕掛け人のねらいが見えますね。
人的ネットワークを活用して
小回りのきくフォローをして欲しい
という願望が
暗示されているように感じます。
現に
高校教諭、図書館司書を経たあと
絵本専門士になられたという
高橋真生(たかはしまい)さんは
「にこっと絵本」
という情報メディアを立ち上げて
必要としているひとに
必要な絵本を届けるという活動を
幅広く展開されています。
絵本作家を志すあなたにも
たいへん参考になるサイトでは
ないかと思います。
〈絵本専門士〉になるためのカリキュラムは?
ところで
絵本専門士になるためには
いったいどんな勉強をするのか・・・
ちょっと気になりませんか?
ひつじかい自身が
まずは知りたいということもありますが
ここをしっかり押さえることで
「絵本」の現状というようなものが
見えてくるのではないかなと
ふと
思ったのです。
現状を掴んだからといって
突然ストーリーが書けるほど
絵本の世界は甘くはありませんが
それでも
カリキュラムの概要を見れば
何か刺激を受けるのではないかという
ある種のインスピレーション
でしょうか・・・。
では
さっそく
カリキュラムを覗いてみましょう。
絵本専門士養成講座のカリキュラムは
次の3つの要素により構成されています。
それが「知識」「技能」「感性」です。
都合50時間の講義が予定されています。
ではまず
「知識」の授業から見ていきましょう。
参考にしている資料は
第7期(2020年版)の時間割です。
講義科目は次の5つですね。
「絵本総論」
「絵本各論」
「さまざまなジャンルの絵本」
「絵本の世界を広げる技術」
「絵本と出会う」
この中の「各論」から
内容を拾ってみますと-
・絵本の歴史
・絵本賞について
・「視覚表現」「言語表現」から見た絵本
・子どもの知的・社会的発達と
絵本との関わり
とあります。
絵本というメディアは
「絵と言葉の相互依存により成立する
ページめくりのドラマ」だと
※前に書きましたが-
それと同義の内容について
「視覚表現」「言語表現」という観点から
アプローチしていますね。
また
知育としての絵本のみならず
「社会的発達を促す媒体」として
絵本を捉えるなど
視野の広さを感じます。
次に「技能」の授業はどうでしょうか。
講義科目は次の3つです。
・絵本を紹介する技術
・おはなし会の手法
・絵本の世界を広げる技術
この中の
「絵本の世界を広げる技術」から
項目を拾ってみますと-
・絵本を探す技術
・ワークショップ
・絵本コンシエルジュ術
とあります。
これは
絵本の愉しさを拡散していくための
テクニカル的なスキルですから
絵本を創る立場の端くれとしましても
大いに興味をそそられる単元ですね。
最初の「絵本を探す技術」という講義は
できればひつじかいも
聴講してみたいですね。
どんなにいい絵本があっても
「出会いがなければときめきがない」
わけですからね。
販促に積極的に関わらなければならない
今日の絵本作家としましては
これと次の「コンシエルジュ術」は
押さえておきたいところですね。
最後の「感性」には
どんな授業が
組み込まれているのでしょうか。
講義科目は次の5つです。
・子どもの心をとらえるもの
・絵本のある空間
・絵本が生まれる現場
・絵本の持つ力
・心に寄り添う絵本
これまた魅力的なプログラムが
ラインナップされています。
絵本作りを志すものとしましては
いずれも大切しなければいけない
項目です。
妙に親近感を感じましたので
講師陣を確認してみましたら
「人形劇団の主催者」
「出版社の編集部長」
「児童文学者」
「小児科医長」
のほかに
いせひでこ氏という
「絵本作家」が参画していました。
「絵本が生まれる現場」
これはやはり
絵本作家でなければ
語ることができませんよね。
さて
今年も
〈絵本専門士〉を目指して
多くの有志が
受講を志願されることでしょう。
50時間に及ぶカリキュラム修了後には
課題が課せられ
〈絵本専門士〉としての資質と能力が
審査されることになっています。
全国で50人という狭き門。
ひつじかいには受講資格がありません。
でも
負け惜しみを言うわけではありませんが
「絵本が生まれる現場」にいた方が
やっぱり居心地がいいみたいです。
だからあなたにも
〈絵本専門士〉を目指して欲しい
なんて言いませんよ。
しかしせめて
こんな資格があるんだということを
まわりのひとに
伝えていただければと思います。
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