「クリスマスソングを唄うように」みたいな絵本ではなく・・

クリスマスソングを唄うみたいに 絵本発想のヒント
暦変われば・・

こんにちは、もりのひつじかいです。

 

「クリスマス、もうすぐだね」

 


ぽつんとつぶやいて
やさしく
淋しげに唄い出す
あのクリスマスソングといえば・・・

 

そうですね
中島みゆきさんの
『クリスマスソングを唄うように』
であります。

この歌は
みゆきさんの十八番ともいえる
〈失恋歌〉のひとつです。

 

クリスマスソングを唄うように
一晩だけでいいから
あたしを愛して欲しいという
恋心を歌っています。

 

あ、いえ
誤解をなさならいでくださいね。
失恋の話しをしたいわけではありません。

それはまたいつか
ほかの機会に譲りたいと思います。

きよしこのよる

ということで、今日は
クリスマスの絵本について
お話しをしてみたいと思います。

 

クリスマスにまつわる
ひつじかいの
外国での失敗談!
なども盛り込んでおりますので
どうぞお見逃しなく。

 

暦変われば他人に戻る?

いよいよ
クリスマスも近づいてきましたので
ひつじかいはこのところ

日本の子どもたちにとって
クリスマスの絵本って
どんな意味があるのだろう?

ということがとても気になっています。

 


そんなとき
何の脈絡もなく
あのクリスマスソングが
〈遠い記憶の小部屋〉から
聞こえてきたのでした。

クリスマス


そういえば
ひつじかいの家のクリスマスは

 

ロウソクを燈し
定番の「きよしこの夜」を皆で歌い
ひつじかいが作る〈※ボルハチ〉を啜り

※ボルシチより「一段と美味い」?
 ということで
 娘が「ボルハチ」と命名。

妻の手作りケーキを食べ終えたら

これにて、本日の~打ち止め~!

あとはサンタさんの
お出ましを待つばかり・・

 

といった程度のものでした。

 

念入りに飾り付けられツリーだけが
所在なげに夜更けまで
瞬き続けたものです。

 

 

我が家は
クリスチャンではありませんので
クリスマスだからといって
七面鳥を焼くこともなく
教会に行くこともありませんでした。

(当然といえば、当然です・・。)

みゆきさんの歌ではありませんが

 

クリスマスソング唄うように
今日だけ愛してよ
暦変われば他人に戻る

クリスマスソング唄うように
今だけ愛してよ
雪に浮かれる街のように

 作詞・中島みゆき
『クリスマスソングを唄うように』
 から抜粋

 

一夜明ければ
クリスマスのことなんか
ころっと忘れて
もう、もとの日本人に戻っている・・。

 

それが我が家のクリスマスでした。

 

  え?
  おたくも?
  同じ?
  な~んだ
  うちだけじゃないんだ!

 

おそらく
クリスチャンではない日本人の殆どが
「暦変われば他人に」
といいますか仏教徒(または氏子)に
戻っておられるのではないでしょうか?

何食わぬ顔をして・・

 

だからどうだと言うわけではなくて
そういう風土に育っている
わたしたちにとって
「クリスマスの絵本が持つ意味」とは
いかなるものなのかということを
問うてみたいのです。

 

飾り付け

 

前に
〈猫絵本〉なる
ビッグジャンルについて語りましたが
〈クリスマス絵本〉というものも
❝猫❞に負けず劣らず
ボリューミーなジャンルでありますので
その影響力についても
多大なものがあると推測できるからです。

 

〈猫絵本〉に関する記事は
→ こちらからご確認いただけます。

 

ひつじかいがこのように
クリスマスへのこだわりを
持つようになったのは
外国での
こんな体験がきっかけでした・・・

 

オーマイガッド!オーストラリア大陸横断列車

それはかれこれ
20年以上も前のことになります。

ひつじかいはひとりで
オーストラリアを旅しておりました。

 

かの国の広さをこの目で確かめたい
との思いから
インディアンパシフィック号という
大陸横断列車に乗車したのです。

インデイアンパシフィック号

ウィキペディアから転載

 

この列車は
シドニー(パシフィックオーシャン側)と
パース(インディアンオーシャン側)
という都市と都市とを結ぶ
全長4352キロの鉄路を
65時間(3泊4日)かけて走破します。

 

列車には寝台車両をはじめ
食堂車や
お茶やお酒を飲みながら会話を楽しむ
ラウンジ車両が連結されていました。

 

また、単線ということもあり
列車同士のすれ違いのため
要所要所に
30~40分ほど停車をしますので
砂漠のど真ん中の駅で
降車&散策しながら
のんびりと旅程が進んでいきます。

 

こうした中途の散策で
様々な国の旅行者が
大勢乗車していることがわかりました。

でも、どうやら日本人は
列車旅の取材のために乗車している
「週間宝石」
(とっくに廃刊となった週刊誌です)
のカメラマンとひつじかいの
2人だけのようでした。

カメラマンにはモデル(女性)が
同道していましたが
彼女はフィリピーナという印象でした。

列車の旅

 

それは2日目の午後のことです。

 

英語があまり得意ではない
ひつじかいですが
食堂で相席となった
乗客の一人に誘われるまま
ラウンジのコンパートメントに
行ってみることにしたのです。

 

こういうときのためにと持参した
焼酎のワンカップ(20度)数本と
おつまみ(柿の種)を携え
ラウンジの片隅に腰を下ろしました。

 

そのラウンジのほとんどは
鉄道旅行をエンジョイ中の
陽気なオージー(オーストラリア人)の
みなさんでした。

 

元プロゴルファーだという
ダンディなおじさんも混じっていて
話しに花が咲いています。

 

ひつじかいは
数少ない東洋人ということもあり
またフレンドリーな国民性もあって
次々と話しかけられます。

そこで
なけなしのスピーキングと
くだんの〈柿の種〉とで間をつなぎ
どうにかこうにか
交流の輪に加わっておりました。

 


そのときです。
ひつじかいからは
一番遠い席に腰を下ろしていた
痩せぎすのご年配の女性が
背筋をしゃんと伸ばされて
突然こんな質問を発したのです。

 

「あなたはクリスチャンですか?」

 

 え?
 いきなり?

 噂には聞いていたが
 外人は宗教に関心が高いというのは
 本当だな。

 

などと瞬時に思いを巡らせながら

 

「いいえ、違います」

 

と答えました。

 

以下、その女性との会話は
こんなふうに進行しました。

 

「では、仏教徒ですか?」

「はい、そうです」

「なるほど・・・。
 ところで、あなたは
 クリスマスをなさいますか?」

 

ひつじかいは一瞬躊躇しましたが
【ケーキを食べるだけのクリスマス】も
「クリスマスには違いない」
などと思いなして
言葉の重みを深く考えもせず

 

「ええ、クリスマス、やりますよ!」

 

と、軽々と答えたのでした。

 

「え、クリスマスをおやりになる?
 あなた、仏教徒だと仰ったでしょう?
 それなのに
 クリスマスをおやりになる!
 ああ、なんということでしょう!
 オーマイガッド!」

 

その女性は興奮して
さらに何かを言い募りましたが
あまりの早口に
ひつじかいには
もはや聞き取ることができません。

周りの乗客も困惑して
「まあ、まあ、まあ」と
仲裁に入ってくれました。
しかし
彼女の怒りは収まる気配がありません。

 

結局
日本のクリスマスのニュアンスを
正確に伝えられないまま
ひつじかいはラウンジを後にしました。

 

自分のコンパートメントに戻って
一人になり
気を落ち着かせて
そしてようやく
彼女が言っていたクリスマスの意味に
思い至ったのでした。

 

彼女のクリスマスは
ケーキを食べるだけの、そんな半端な
クリスマスではないということにね・・

 

「クリスマスソングを唄うように」一晩限りの〈ごっこ〉ではなく・・

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クリスマス絵本の売れ筋ランキングを
確認すると-

 

#1『さむがりやのサンタ』(翻訳もの)
#2『ノンタン!サンタクロースだよ』
#3『チャレンジミッケ!4
   サンタクロース』(翻訳もの)
#4『サンタクロースって
   いるんでしょうか?』
#5『あのね、サンタの国ではね…』
#6『ジップ&キャンディーロボット
   たちのクリスマス』
#7『クリスマスのふしぎなはこ』
#8『だれも知らないサンタの秘密』
  (翻訳もの)
#9『急行「北極号」』(翻訳もの)
#10『クリスマスのまえのよる』
  (翻訳もの)

 

外国人の作家による絵本と
日本人の作家による絵本が
ちょうど半々ずつですね。

 

#11以下もだいたいこんな感じです。

 

そして
日本人の作家が描くクリスマス絵本の
7割超が
サンタクロースに関連したプロットを
組み込んでいますね。

サンタさん

つまり
日本におけるクリスマスの絵本って
ほぼサンタクロース関連の絵本に
なっているといっても
いいくらいのものなんですね。

 

クリスマスをやるのかと訊かれ
ケーキを食べるだけのクリスマスを
「はい、やります!」
と答えてしまったひつじかいですから
あまり威張ったことはいえませんが
サンタクロースこそクリスマスだと
思っている子どもたちが
大勢いるのではないかと
ちょっと
心配になるわけです。

 

プレゼントのお話しを書いたり
クリスマスツリーや
ケーキのお話しを書くのもいいけれど
こういうことって、みんな
「クリスマスごっこのお話しなんだよ」
ということを
どこかで教えてあげなければ
いけないんじゃないかと
ひつじかいは思うのです。

クリスマスの夢

 

それが難しいというのならば
せめて子どもたちには
インディアンパシフィック号で
大恥をかかないように
本当のクリスマスについて
語ってあげなければ
ならないでしょうね。

 

定番のクリスマスソングを唄うような
たった一晩だけのクリスマスでも
本当のクリスマスのお話しを描いた
絵本を
子どもたちに読み聞かせてあげなければ
いけないと思っています。

 

遠くから聞こえてくる
クリスマスソングに耳をすませながら
そんなことを考えている
ひつじかいであります。

 

クリスマス絵本に対する
ひつじかいのこんな思い
あなたはどのように考えますか?

 

 

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